どうも。ヤスイです。以前から僕の記事を読んでいる方はご存知と思いますが、僕はモニタースピーカーに「YAMAHA HS5」を使っています。
詳しくはこちらの記事で。
ですがぼちぼち、これを買い換えようかなと。理由は特にない。YAMAHA HS5はプロのスタジオに置いてあることもあるくらい名機。
ただ、僕がYAMAHA HS5を買った時と、住んでいる家も違うし、使っているオーディオインターフェースも、楽器も違う、使う目的も違う。
僕がYAMAHA HS5を買ったときはバンド活動をしていなくて、趣味で電子ピアノをたまに鳴らしていただけだし、定番の良いやつらしい、という理由だけで買っているので、そもそもモニタースピーカーの役割もちゃんと考えたことがない。
一方、今はバンド活動でKemperを繋いで宅録したり、電子ピアノではなくMIDIキーボードを手に入れたので軽くDTMを触ったりもしている。
これは持論ですが、音楽をやる上で大切なのは入口と出口だと思っています。ギターで言うと、ギター本体とアンプ(スピーカー)ですね。間のエフェクターやシールド類も大切ですが、やはり入口と出口がちゃんと使いこなせていないと良い音は出ない。
という点で考えると、普段、家で音楽を鳴らす時の出口となるモニタースピーカーは、買い換えるかどうかはともかく、ちゃんと調べて、理解して、検討するのは必要なんじゃないかと。
ということで、モニタースピーカーを買い替えたいと思って、色々調べたり、実際に見に行ったりしたので、その模様をここに残しておこうかなと。
ちなみに今回はざっくり、見て来た機材や欲しいやつを紹介するだけ。
もしかしたら実際に買う前に、選び方だとか、役割、機能だとかをちゃんと理解するためにそっち系の記事を書くかもしれません。
とりあえずモニタースピーカーを見てきた
細かいことを考える前にまずは現物を見てみよう。ということで楽器屋に行ってきました。
が、意外とモニタースピーカーが置いてある楽器屋って少ないんですよね。
ですが大阪アメ村には「ミュージックランドKEY」という素晴らしい楽器屋があります。大阪のアメ村と東京の渋谷に店舗があるのですが、なかなか尖ったラインナップを揃えた楽器屋なので、マニアにはたまらない場所です。
当然、僕はギター本体とかアンプの方に興味津々なわけですが、今回行ったアメ村(心斎橋店)の2階がDTM系のコーナーになっていて、MIDIやシンセ、そしてモニタースピーカーなどが大量にあります。
シンセがあんなに置いてある楽器屋はめったにないので、人によってはめちゃくちゃ楽しい場所。
ということで実際に見たモニタースピーカーで気になったのは下記3つ。
FOCAL Shape 40
写真の両側にあるやつです。サイズが40、50、65とありますが、まあ自宅用なら40で十分でしょう。
Shape 40 – コンパクト・ソリューション Focal Professionalのラインナップ中もっともコンパクトなスタジオモニター Shape 40は、同時にニアフィールド・モニタリングのための完全なソリューションでもあります。 60cmという極めて近距離でのリスニングでも、驚くほどの伸び伸びとした低域特性を保持しています。 10平米=5畳以下の小さなルームでも、その優れた設計と細やかな調整機能により、Shape 40は理想的なリスニング環境を提供します。
という感じで、何が良いって、モニタリング距離が60cm。デスクから耳まで1mとかある環境で音楽やっている人は少数派でしょう。僕もだいたい50〜70cmくらい。
ちなみに今使っているYAMAHA HS5は、壁から1.5m以上離して、耳との角度が60°になるようにする必要があるらしい。一つの角度が60°の二等辺三角形なので、つまり正三角形。モニター同士の距離を1m開けるなら、√3/2なので、87cmくらい離れる必要がある。
考えたことなかったけど、僕は今、適正なモニタリング距離より結構近い位置で使っているらしい。勉強になりました。
亜麻繊維を用いたフラックス・ウーファー・コーンと二つのラジエーターは、正確に制動された低域、限りなくニュートラルな中・中低域を提供します。あらゆるマスキングを感じさせず、EQ調整を容易にすることでしょう。さらに新開発のMシェイプ/リバースドーム・ツイーターは、高域の特性に高い解像度と精度をもたらします。
と、書いてありますが、だいたいよくわからない。低音が正確で、中音がニュートラルで、高音の解像度が高い。つまり全部良いってことなんでしょうか。まあモニタースピーカーなのでどこかの音域が突出して良かったらダメなんですが。
YAMAHA HS5は本当にニュートラルというか、「あ、これがそのまんまの音なのね」って感じがします。
こちらは少し聞かせてもらったのですが(そんなに良い環境で聞いたわけではないのではっきりとしたことはわからない)、イコライザの感度も良いし、好みのセッティングをすればリスニングスピーカーとしても優秀そう。
とはいえ、リスニングスピーカーとして優秀って、モニタースピーカーとしてはどうなんでしょうね。僕は録り音やミックスを確認するとき、モニタースピーカーで聞いて下手さに愕然とし、リスニング用の別のスピーカーで聞いて意外とイケてるなと思うということを行っていますが、それが一台で足りるということか。
とりあえず気になった理由は見た目なんですけどね。木目大好きなので。
TANNOY GOLD7
TANNOY(タノイ?タンノイ?タンノイらしいです)って僕は初めて聞きましたが、結構有名みたいですね。イギリスではTANNOYという言葉がイコール「スピーカー」という一般名詞として使われるくらい定番らしい。
オーディオの録音、編集、ミキシング、マスタリングを問わず真に優れたスタジオリファレンスモニターは可能な限り音楽の最も正確でむやみな色付けのないサウンドを提供する必要があります。TANNOY GOLDはレコーディング、放送、ポストプロダクション現場での専門家の厳しいニーズに応えるために作成されました。
こんな説明がありましたが、まあ大体のモニタースピーカーはそうでしょうという感じ。まあ音云々より、正直見た目がかっこいいなってのとフロントにコントロールが付いてるのはありがたいのと、安い(YAMAHA HS5とそんな変わらない)というところで気になっています。
- 優れた解像度で正確なサウンドを再現するプレミアム300Wバイアンプニアフィールドスタジオレファレンスモニター
- 超精密でニュートラルなサウンドステージにより長時間のリスニングでも疲れにくいサウンド
- 伝説的なTANNOYのデュアルコンセントリックドライバーテクノロジーはクラス最高の位相コヒーレンスとポイントソースイメージングを提供
- 前面に配置されたバスレフポートにより壁の近くに配置でき最適な低音域性能を確保
- 次世代の6.5インチデュアルコンセントリックドライバーテクノロジーが明瞭さと優れたダイナミクスを実現
- Tulip Waveguideを備えた0.75インチ、1インチチタンツイーターは「スウィートスポット」を広げ高繊細なステレオ音源を実現
- 正確なダイナミクスを実現するトランスデューサーにマッチしたLFとHFの2つのアンプを備えたCLASS-ABシステム
- XLRと1/4”ステレオフォンジャック入力を使用して最大2つのオーディオソースを接続可能
- 専用の入力トリム、低音、高音のコントロールによりリスニング条件に合わせてサウンドを最適化
- ON/OFF選可能択な自動スタンバイモードによりエネルギーを節約
- 英国で90年の歴史を持つTANNOYの技術を活かした設計
こんな風に特徴を並べられても正直だいたいわからないのですが、気になったのは「前面に配置されたバスレフポートにより壁の近くに配置でき最適な低音域性能を確保」という部分。バスレフポートっていうのは空気を逃がす穴みたいなもので、これが後ろにあるということは大きな振動、つまり低音を後ろに逃がしている、ということになります。すると、壁に反射したりして低音がぼやけちゃったりするから、後ろにバスレフポートが付いているものは壁からある程度、離して使う必要があります。
そして、YAMAHA HS5は後ろにバスレフポートが付いています。公式マニュアルでも壁から1.5m離す必要があるとか結構無茶が書かれているのですが、つまりそういうことですね。
一方、TANNOY GOLD7はフロントのコントロール部分にバスレフポートが付いています。なので、後ろの壁との距離はあまり気にしなくて良いと。個人宅で使うように設計されたモニタースピーカーはフロントに付いていることが多いんですね。これはモニタースピーカーを選ぶ時の一つの基準になりそうです。
ってのと後はこの方が解説してくれているので、僕がとやかく書く必要はない。
面白いポイントとしては、モニタースピーカーにしては珍しくスピーカー部が1つでウーハーがないこと。ないわけじゃなくて、1つのスピーカーから出る「同軸2Way」という特殊な設計らしいです。これによって、普通ウーハー部とスピーカー部で分かれて出てくる低音と中音の繋がりが良くなるんだとか。
いやしかし、見た目は良い。木目系と迷うけど。
KRK RP8G4
ミュージックランドKEYで気になったモニタースピーカー、最後はKRK RP8G4。モニタースピーカーといえばこの特徴的な見た目、黄色いウーハーが特徴のKRK様。知り合いでエンジニアしてるやつも確かKRK。雑誌でアーティストの自宅インタビューで背後に映ってるのはだいたいKRK。
正直、僕はそこまで好きな見た目じゃないんですが、このシリーズ、背面にグラフィック・イコライザが搭載されているんですよね。DSP駆動で25種類。これもまあモニタースピーカーにイコライザって必要なの?ってところから考えないといけないのですが、そんなに高いものではないのでリスニング用に持ってると良いかもしれない。
しかもこのグラフィック・イコライザ、スマホアプリから操作するらしいです。現代的。
KRKの見た目は正直好みじゃないけど、横に置くとかっこいいんですよね。といっても、こいつをかっこ良く置くには専用のスピーカースタンドが欲しい。スピーカースタンドにのせて、結構遠くでデカいサイズのKRKが横向きに置いてあると、なんかかっこいいですよね。
他に気になった卓上モニタースピーカー
と、ミュージックランドKEYには数十種類のモニタースピーカーが置いてあったのですが、特に気になったのはこの3つでした。他にも色々と面白いものがあったのですが、ネットで調べていて気になったものを追加で3つほど紹介。
IK MULTIMEDIA iLoud Micro Monitor
以前、色々とお世話になったIK MULTIMEDIA。ここの良いところは「プロってわけじゃないんだけど音楽制作を結構本気でやりたい」っていう、今では当たり前なのに大手がなかなか応えてくれないニーズに応えてくれているところ。
例えば、iPhoneやiPadで使えるDAW系ソフトウェア「AmpliTubシリーズ」や、家で使うのに丁度良いコンパクトなオーディオインターフェースの「iRigシリーズ」など。AmpliTubもiRigも、バンドをやっていない時期によく使っていました。もちろんプロ向けの機材も色々ありますけど、趣味で音楽作るならこのへんで十分、というものがたくさんあります。
反射音、スピーカー間の時間補正を制御する先進の56ビットDSP処理に加え、バイアンプ仕様の超高効率のクラスDパワーアンプ(50W MS)を搭載し、リニアな周波数特性、色づけのないクリアなサウンド、余裕のあるヘッドルームなどスタジオリファレンスモニターに求められる要件を狭いデスクトップでも設置可能な世界最小クラスのスピーカーで実現しました。
このアクティブタイプのスタジオリファレンスモニター、iLoud Micro Monitorは、色づけのない極めて正確な周波数レスポンスを実現し、狭いデスクトップでの音楽制作環境や例えば移動先のホテルなど様々な環境でスタジオクオリティーのモニタリング環境を実現してくれます。
なにが良いって、なんといってもこのコンパクトさ。モニタースタンドじゃなくて、卓上、それもDTM専用デスクじゃなくて普通のテーブルに置くことを想定した作り。
正直、ここまで挙げたいろんなアンプ、FOCAL Shape 40は近距離でも使えますが、それ以外は壁から結構距離を離さないといけなかったり、ちゃんと性能を発揮するには振動を吸収するモニタースタンドに置かないといけなかったりと、自宅で十分に使いこなすのは難しい。
しかしIK MULTIMEDIAのiLoud Micro Monitorは最初からそうした自宅で鳴らすことを想定しているわけだから、自宅でも性能を十二分に発揮できます。
しかし問題は見た目。正直、モニタースピーカーの良し悪しなんて、本格的にミックスする人以外あんまりどうでも良いわけだから、見た目と気分が重要(と僕は思う)。
そう考えたときに、コンパクトすぎるというか、ちょっとおもちゃ感があるんですよね。友達を家に呼んだとき「すげーめっちゃ音楽やってるやつの部屋やん」みたいにならない。
という、めちゃくちゃどうでもいいポイントに置いて、マイナスです。
AURATONE 5C Super Sound Cube Pair woodgrain
見た目で惹かれただけのモニタースピーカーですが、なんでも1970年代に大ヒットして今も多くのファンがいる名機の復刻版らしい。面白いのが、決して音は良くないという点。あえてレンジを低くすることで、スマホやPC、カフェのBGMなど決して音楽を聞くのに適した環境じゃない場所で聞いたときの音を確認できるみたいです。
これって結構重要で、僕もミックス後の音源はモニタースピーカーだけじゃなく、MarshallのACTONⅡなど一般的なリスニングスピーカー、iPhoneのデフォルトのイヤフォンで聞いたりします。iPhoneのデフォルトのイヤフォンはボーカルはいい感じに聞こえますが、低音域はあまり聞こえないし、中音にもパワーがない。モニタースピーカーでめっちゃいいやん!ってなってても、実際にリスナーが聞く環境だと微妙、というのはよくあります。
そんなときに活躍するのが、あえてレンジを狭くして、上質なモニタースピーカーとは違いリスナー環境に近い音が確認できるAURATONE 5C Super Sound Cube Pair woodgrain!
って、それだったら安物の一般的なリスニング用スピーカーを買えば良いんじゃ…と思ってしまうのは僕だけじゃないはず。
しかしまあ「プロフェッショナル・ツールとしての実力を兼ね備えています」「一つクオリティーを上げたミキシングができるようになります」とかって紹介されているので何かあるのでしょう。
まあ僕は見た目が好き、というだけ。多分買わないだろうな。
DYNAUDIO PRO LYD5
これも見た目がかわいい。シンプルなんですけどね。何が良いって、全部白のやつは結構あるけど、これは前面だけ白で後は黒なんですよね。そこが良い。
というのと、こちらも自宅で使いやすいニアフィールドモニター(近距離で使える)だということ。しかも壁との距離の低音域の変化を調整するDSPが用意されているので、自宅でも使いやすい。Bass Extension、Sound Balance、Positionという3つのDSPがあるみたいですが、Bass Extensionが壁による低音域の変化を調整するやつでしょうか。Positionってのがスピーカーの位置による影響を低減させるものなのでしょうか。よくわからない。
これ見た目も好きだし、機能的にも申し分ないので気になっているのですが、YouTubeには日本語の解説動画がないんですよね。しかし要検討。またどこかの楽器屋で見かけたら聞いてみたいと思います。
一番欲しくなったのはモニタースピーカーではなくデスクでした
という感じで、今回はモニタースピーカーを見に行って気になった3つと、その後調べていて気になっている3つを紹介しました。
問題は、自宅環境で聞けないことなんですよね。楽器屋で聞いても、オーディオインターフェースや壁などの周辺環境は当然違いますし、YouTubeの解説動画を見ても、「この低音域めちゃくちゃ解像度高いですねー」みたいなコメントされても、僕のところに聞こえる音はYAMAHA HS5を通った音なワケで…
モニタースピーカーほどリースや30日お試しみたいなプランが必要だと強く感じました。
という感じでYAMAHA HS5に不満があるわけではないので今すぐ買い換えるという話でもないですが、最初に言ったように、音は入口と出口、つまり楽器とスピーカーが一番重要だと思うのでちゃんと調べていこうと思います。
余談ですが、ミュージックランドKEYに行って一番欲しくなったのは、DTM用のデスクでした。
「ProStyle KWD-200」というやつです。
こんな感じ。僕は今L字デスクを横一列にして広く使っているんですが、一般的なデスクだと奥行きが全然足りないんですよね。MIDIキーボードの背面にある電源スイッチが非常に押しにくいし、配線も結構ごちゃついている。あとそんなに作りがしっかりした作りじゃないので、機材関係を全部置くと結構いっぱいいっぱいで、タイピングで結構揺れる。
見ての通り、PCやモニタースピーカーを置いている台の下にMIDIキーボードを押し込んでいます。この隙間に手を入れて背面の電源を入れないとMIDIキーボードは使えない。
しかし「ProStyle KWD-200」はすごい。DTM用に設計されたデスクなので当然ですが、見た瞬間「あ、僕の機材だったらここにこれを置いて、配線はここに配置して…」ってのがすぐ頭に浮かびました。
あとキャスター式なので、移動ができる。たまに背面の配線をいじりたくなった時も簡単。足元に台があるのもいいですね。僕はKemperを使っていますが、当然ライブやスタジオのときには持ち出すので、ラック類をこういうところに置けるのはめちゃくちゃいい。しかもここのちょっとした引き出しボックスみたいなものを用意すれば、ギターの弦とか細々したものもスッキリする。
結論から言うと、おそらくモニタースピーカーを買い換えるより早く、このDTM用デスクを買う可能性が高い。