Kemperユーザー、歴代マーシャルを語る

Kemperユーザー、歴代マーシャルを語るプレイヤー向け

どうも、ヤスイです。

僕は世のギタリストが死にたくなったと良く言うチートアンプ「Kemper」ユーザーです。Kemperについての記事もゆくゆくは書いていきたいと思いますが、今回はギターアンプの王道「Marshall」について。

電子音で満足してるやつにマーシャルが語れんのか

と言う人は冷静に考えてみてください。あんた、何種類のマーシャルアンプ鳴らしたことあるよ?
Kemperには数十種類以上のマーシャルアンプが入っている。楽器屋回っても到底お目にかかれないクラシックモデルももちろん入っている。鳴らしたこともないやつが解説するギターアンプ評論より、Kemper通してでも実際に鳴らしてるやつが解説する方が絶対面白い。
少なくとも僕はそう思う。

真空管のロマンがお前にわかるのか

という意見もあるかもしれませんが、僕がKemperの前に使っていたのは「Fender Bassman」、その前は「Marshall JCM2000 TSL100」。真空管のロマンは体に染みていている。
ただ、Kemperはきちんとプロファイリングされたものなら真空管のロマンをデジタルで完全に表現しています。Fenderも昔のモデルをデジタルアンプでリニューアルする時代。

ちなみに、現在バンドの音源で良く使っているのは「Marshall JCM800」と「Marshall JCM2000」の系列。あとは「Fender Devil」などをクランチで。
家では「Marshall 1959」や「Fender custom champ」なども。まあ僕はKemperみたいなコンピューターアンプを使っておきながら、真空管系列の音が好きということです。

世の音源の4割はマーシャル系列だと思ってる

Marshall創業者:ジム・マーシャル
まずはマーシャルについて簡単に。イギリスのギターアンプメーカーで創業者がジム・マーシャル。自分の名前をそのままとって「Marshall」にしたと。
ちなみにジム・マーシャルはドラマー。しかし世の中不思議なもので、VOXの創業者トーマスウォルタージェニングスはアコーディオン奏者で、Fenderの創業者レオ・フェンダーはミュージシャンですらない。そんなもんです。

Fenderに比べると中音が豊で、アンプ自体でしっかり歪みを作れることが特徴。特に新しいモデルは複数のチャンネルを用意していて、歪み系のエフェクターが必要ないくらい。

まあ世の中のギタリストの4割くらいはマーシャルを使ってると考えて間違いないくらい、ロックシーンの王道アンプ。日本全国、どこのライブハウス に行ってもマーシャルとローランドのジャズコーラスが置いてあります。

その理由は単純。音作りが簡単だから。Fenderでいい音を出す難易度を10とすれば、マーシャルはせいぜい2か3。Fenderみたいにボリューム上げたら勝手に歪んだり、イコライザーがある地点から急にブーストされたりといったことがほとんどない。全部のメモリ12時にしても普通にいい音になる。
あとはメンテナンス性。小さなライブハウスや小規模のスタジオにおいてあるFenderアンプはだいたいガリが出ているのに、マーシャルではほとんどない。

僕も昔使っていた「Fender Bassman」でいい音を出すのにかなり苦労しました。イコライジングやエフェクター じゃなかなか思う通りに行かなくて、チャンネルリンクして原音とエフェクトを被せたりして初めて納得する音が出たり。
「Marshall JCM2000 TSL100」は簡単。今でも覚えていますが、昔のバンドでのレコーディング。リードギターのセッティングはクランチチャンネルで「Gainフル・bassフル・Middleフル・Trebleゼロ」これでいい歪み出るからすごい。

まあそんなところで、マーシャルアンプをいろいろみていきましょう。別に歴史順に並べるとか、シリーズの代表格だけ紹介するとかではなく、適当に好きなものを紹介していきます。

JTM45-元祖マーシャル

1962年に製造されたマーシャルの処女作。ドラム専門の教室・楽器屋「マーシャル・ショップ」になぜかギタリストがアンプを直して欲しいとつめかけ、「俺だったらそもそももっと安く壊れにくいアンプ作れんじゃね」と言うことで、Fender Bassmanを手本に作成。オリジナルは45wなので「JTM45」。JとMは「ジム・マーシャル」の頭文字だとは思いますが、Tが何かは不明。ちなみにジム・マーシャルのフルネームは「ジェームズ・チャールズ・マーシャル」。後続の「JCMシリーズ」は頭文字を撮ったんだと思いますが、Tはやっぱり不明。

上の試奏動画はオリジナルではなく、「2245 30w JTM45」と言う復刻されたモデルです。今のロックシーンではあまり耳馴染みのないクリーン〜クランチトーン。
Fender Bassmanを手本にしてるといっても、やっぱりマーシャル。中音が出ていて粘り気がある。
ただ、このモデルに関してはやっぱり現代向けにちょっと変えられてるんですかね。1960年代にはなさそうな歪みの印象です。

そして、こちらがなんと1962年に製造された正真正銘、最初期のJTM45。これは興奮しますね。みた感じ、イコライザは全部12時付近のようですが、中低音が強く温かい印象。Fender Bassmanを手本にしてもこうはならんだろうと言う感じ。
歪みもよりナチュラルで、機械的な歪実じゃなくて、ビンテージアンプにありがちな入出力が強くて勝手に歪んじゃってるような感じ。歪みのニュアンスはFender Bassmanに近いかもしれません。

まあこんなの紹介したところで、使う人いないと思います。僕もKemperでJTM45のプロファイラーを数種類持ってるんですが、家でたまに鳴らす程度でそんなに使い道のある音ではないです。少なくとも今のロックシーンでJTM45の素直な音を出しても、ドラムとかベースに埋もれそう。単体だといい音なんですけどね。

JCM800-マーシャル史上最大の名機

1981年にリリースされたJCM800シリーズ。JCM2000まで続くJCMシリーズの中でも最初にして最高傑作。今でも多くの愛好家がいて、僕もその一人。まあ鳴らしてるのはKemperなんですけど。

・マスターボリューム無し100Wヘッドの「1959」
・マスターボリューム付100Wヘッドの「2203」
・マスターボリューム無し50Wヘッドの「1987」
・マスターボリューム付50Wヘッドの「2204」
・2203+12インチスピーカー2発キャビネットの100Wコンボ「4103」
・2204+12インチスピーカー2発キャビネットの50Wコンボ「4104」
・2204+12インチスピーカー1発キャビネットの50Wコンボ「4010」

細かくわけるとこう言う風にいろんなモデルがあるみたいです。一番利用してる人が多いのはマスターボリューム付100Wヘッドの「2203」だと思います。

JCM800が爆発的に売れたのは単に音がいいとかだけでなく、価格が安かったと言う理由もあるみたいです。なんでも、海外の販売代理店がえげつないマージンをのせていて、イギリス以外では高級アンプという位置づけになっていたそうで。その代理店契約が切れた1981年にリリースされ価格が抑えられたからという裏話もあるようです。もちろん音がいいことももちろん人気の理由です。

当時の音楽シーンの中心はハードロック。ギタリストみんながより強い歪みを求めていた時代。ということもあってアンプ自体で強く歪むことが特徴ですね。ザ・ロックっていうサウンドが出したければ余計なエフェクター使わずJCM800に繋いでおけば間違いない。

この動画はめちゃくちゃいいです。ドラム、ベースを加えたアンサンブルでどういうセッティングをすればどうなるかイメージが湧きやすい。やっぱり中音のバランスがいいですね。

ちなみにJCM800 2203は復刻して現在も現行モデルとして販売されています。復刻版は現物を弾いたこともあるのですが、いい音です。Kemperにもいろんな人がプロファイルしていて、かなり多用しています。
2020年2月16日リリースの2nd mini album”Gold Fish Blues”では半分くらいJCM800系列の音で録りました。ロックンロールやってるなら出したくてたまらない音が出ます。
後述するJCM2000シリーズはどちらかというとウェットなニュアンスがありますが、JCM800はわりと乾いたニュアンス。イメージ的には、スリーピースのロックンロールバンドで鳴ってそうな、シンプルで飾りのない必要最低限かつ欲しいところが完璧に出ている音。

JCM2000 TSL100-マーシャル最後の名機

1997年にリリースされたJCM2000シリーズ。中でもTSL100は僕が大学生の頃、約3年弱メイン機材として使い倒しました。これ使っているとき、足元にはWeedのクリーンブースターのみ。あとはマーシャル自体のフットスイッチ。
クリーン、クランチ、ハイゲインのリード。真っ直ぐにロックするならこれ以外に必要な音なんてない。Fender Bassmanにどハマりしなかったら今でも使っていたかもしれません。いいアンプです。JCM2000頃からマーシャル好きの間でもいろんな意見があるようですが、マーシャルでいいアンプはこれが最後かもしれません。

JCM800にハイゲイン回路を足したJCM900は個人的にはとってつけた印象。JCM900を使うくらいなら、JCM800に歪み系エフェクター足すか、JCM2000を使った方がいいんじゃないかなと思います。

ハードロックシーンだけじゃなく、ロックシーンにもハイゲインの流れが入ってきて、それでアンプ本体でここまで行くかっていうぐらい歪むリードチャンネルがついているんですが、これが使いやすい。上の紹介動画を見て欲しいんですけど、ハイゲインがすごく気持ちいい。エフェクターじゃ作れない音ですよね。それでいて、”これぞ!”と言わせる音です。
これだけ歪んでいて”これぞマーシャルの音!”と感じてしまうのは僕が使っていたからなのかもしれませんが、ぱっぱりいい音です。クリーンがクラシックなマーシャルサウンドなのは当然として、これまでなかったハイゲインなのになぜかマーシャルと感じてしまう。キツく歪ましても耳馴染みがいいというか、太さと繊細さが両立しているような印象。メタルでも使えそうなのに、やっぱりロックンロールサウンドなんですよね。

JCM2000にはTSLとDSLの2つのタイプがあって、Triple Super LeadとDual Super Leadの違いです。つまり3チャンネルか2チャンネルかということ。まあDSLが2チャンネルといっても実際は4種類の音が出せますが、僕が使っていたTSL100は3チャンネル仕様で非常に使い勝手が良かった。しかしこれは2007年で終了。残念です。僕がKemperの購入に踏み切ったのも、TSL100が生産終了していたから。
残ったのはJCM2000 DSLシリーズが独立したDSLシリーズ。TSLを無理やり複雑にして馬鹿みたいに歪むICチップまみれのJVMシリーズ。もうマーシャルは終わりです。

DSLシリーズは廉価版で正直満足のいく音じゃない。いろんなライブハウスとかスタジオに置いてあるけど。JVMは電子音色が強い。いろんな時代のマーシャルの音がつまってる見たいなレビューを見た気がするけれど、本当に真空管か?というレベル。
完全に個人の意見ですが、マーシャルが素晴らしかったのはJCM2000 TSL100までだと思っています。その証拠にラインナップもビンテージ版とかいってJCM800とか、1959とかの復刻版が人気。

書いていたら腹が立ってきました。JVMシリーズはここ数年のマーシャルでは一押しのモデルのようで、ショップの店員さんも良く進めてきます。ただ別にマーシャルのヘッドを使わなくても足元で再現できそうな電子的な歪み。僕はアンプを持つなら最高のものを一つ、足元は何もなし、が理想と思っているので「JVM買うくらいなら幅狭くても最高の音が出るJCM800買うよ」「それかもっといろんな音が出るKemperでいいよ」ってなります。
DSLシリーズもやっぱり廉価版という感じ。JCM2000の頃は回路がシンプルでいい音が出るという意見もあったみたいですが、やっぱり僕はTSLを残して欲しかった。JVMみたいにチップまみれのアンプじゃなくて。ちゃんとクラシックなマーシャルサウンドが出るアンプとして。

正直、世の中のギタリストってアンプの値段が10万円か20万円かって気にしないと思うんですよ。どうせ24回払いの無金利ショッピングローンを使えばたいしたことない。いい音出る方が欲しい。ただスタジオとかはそういうわけじゃないから10万のアンプを選ぶんでしょうけど。
DSLの方が人気あったという意見もありますけど、スタジオとか除いて正味のプレイヤーに限ったらTSLの方が人気あったんじゃないかなーと今でも思っています。

これだけゴリ押ししてるJCM2000 TSL100ですが、買うのはオススメしません。真空管アンプにトラブルはつきものですが、TSL100はもう純正の部品とか出てないので、壊れたら同じようには直せない。
ちなみにJCM2000でDSLの方が人気だった理由の一つが壊れにくいから。真空管使う上でかなり重要なポイントです。単純にTSLとDSLではチャンネル数が違うのでより複雑な作りをしていたということらしいですが。あとDSLはベトナム製。価格を抑える目的もあるんでしょうけど、令和のこの時代にベトナムもイングランドも技術力では同じようなもの。TSLは確かイングランド製だったんですが、ベトナムの方が案外品質が良かったということですね。だったらベトナムでTSL作って安くしてくれたら良かったのに。

だらだら書いていたらマーシャルアンプの紹介というより、僕がKemper を買うことになったいきさつみたいになってきましたね。はい、TSL100を求めて、なくて、いろんな人に「やめといた方がいいよ、パーツもうないし」と言われて、いろんな楽器屋でDSLシリーズ試奏して「やっぱこれじゃない」ってなって、Kemper 買いました。
DSLシリーズよりKemperにプロファイリングされてるTSL100の方がよっぽどマーシャルらしい。

古きよきビンテージ、リイシュー

僕はほとんど鳴らしたことがないんですが、もしマーシャルアンプを買うなら、復刻版かビンテージシリーズから選ぶと思います。
例えばこちらは「2555X Silver jubilee」、Red Hot Chili Peppersのジョン・フルシアンテが使っていたことでも有名なモデルの復刻版です。音はちゃんと聞いたことないんですが、見た目がいいですよね。僕が好きなJCM800が元になっているのも興味をそそられます。

あとこちらはエリック・クラプトンも使っていた「1962 Bluesbreaker」いやあ、ブルージー。気持ちいいですね。結構深く中音を強く歪ましているのにピッキングのニュアンスがきれいに出てる。エモい。こういうのをエモいというんですよ。

あとは復刻したJCM800もいいですね。ライブでの利用とか考えたら音作りの幅の狭さがネックで、ある程度足元で音作りする必要があると思いますが、やっぱりいい音です。

3種類全部集めたいASTORIAシリーズ

一見するとマーシャルとは思えないルックスのASTORIAシリーズ。個人的にかなり興味津々です。ライブシーンで使うというより、家に3つ並べたい。ASTORIAシリーズも現物を弾いたことはなくて、Kemperプロファイリングの中にも3種類くらいしかありません。なので実際どんなもんかわからないのですが、見た目が非常にいい。

こちらは「ASTORIA CLASSIC」
こんな渋い緑色のアンプ見たことない。クリーン、クランチトーンの音もマーシャル的というより、ギター本体の味が強く出ているイメージ。テレキャス、ストラト、レスポールの違いが良く出てる。ストラトの時の音が最高に気持ちいい。マーシャルらしく中音も出てるんだけど、きれいに抜けてる。クリーン専用と聞いてたけど、意外と歪む。

こちらもまた渋い赤が印象的な「ASTORIA CUSTOM」
これはやばい。この動画を見ただけで欲しくなってきた。歪みが気持ちいい。クランチ系で始まるからこれもアンプ自体はクランチサウンドがメインかと思えば、しっかり歪む。ギターソロとかに合いそうなハイが抜ける歪みから、バンドのアンサンブルに厚みを持たせるローがブーストされたような歪み。

こんな渋い青が存在したんですね。「ASTORIA DUAL」
DUALという名前の通り2チャンネル使用。CLASSICとCUSTOMのいいとこ取りのようなモデルですね。もし買うならこれ1択。ただ音作りか使用ギターなのか、歪みがあんまりハマってない印象。CUSTOMの歪みはいい感じだったんですが。でもストラトの時はいい音してます。レスポールの時があんまり好みじゃない。

結論。現行のマーシャルアンプを買う必要はない

この記事読んでいる人の中にはマーシャルアンプが欲しくて、いろいろ調べてたどり着いた人もいると思います。ただまあ僕の感覚からすればマーシャルアンプを買う必要はないと思ってます。ASTORIAはちょっと興味ありますけど。この先大量に金が余って好きにアンプ買っていいって言われても、ASTORIAは遊びように欲しいくらい。ライブシーンで使いたいアンプは現行モデルにはありません。

明確に新しい強みを持ったシリーズが新しく登場したならともかく、現状のものや過去の復刻版なんかはKemper持ってれば十分です。もともとJCM2000をメイン機材として使ってた人間がいうんだから間違いありません。真空管との音の差とか、ライブで判別できる人、絶対いません。いたらその人はレコーディングエンジニアかマーシャル社の人間です。

自由に書いていたらずいぶんKemperを持ち上げてしまいましたけど、マーシャルはいいアンプメーカーです。Kemperでマーシャルのを音出してますし。ただKemperとか最強のデジタル機材が登場してしまった以上、アンプメーカーはこれまで以上に頑張らないと。

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