どうも。ヤスイです。
少し久しぶりですね。僕はこうして記事で何かを伝えるのが好きなのですが、最近はHecatoncheir sistersのレコーディングが大変で時間が空いてしまいました。
僕の記事は長くなりがちですが、今日は伝えたいことが明確なので、シンプルに行きます。
Kemperユーザーよ。スタジオやライブハウスで狙った音が出したければ、Marshallじゃなくて、ジャズコーラスに繋げ。
言いたいことは以上なのですが、もう少し説明します。
Kemperの魅力はどこでも同じ音が鳴らせること
僕がKemperを使っている理由については、コチラの記事で書いているのでぜひ読んでほしいと思います。僕はまわりから「まさかお前がKemper買うの?」と言われるくらい、過去にはFender BassmanやMarshall JCM2000 TSL100を使い、お気に入りのエフェクターはブルースドライバーとビッグマフという人間なので、購入を迷っている人にはもしかしたらヒントになるかもしれません。
第一回:ギタリストの音作りチート機材【Kemper】使い方・基本仕様編
【Kemper】RIG MANAGERとRIG EXCHANGEの使い方:第2弾
コロナ禍の音楽制作|スタジオ、ライブハウスの価値
Kemperユーザー、歴代マーシャルを語る
まあKemperについては色々書いているわけですが、僕が感じているKemperの魅力は、
- とにかく音作りがしやすい:宅録とか最高。もしKemperがなければコロナ禍の音楽活動は違うものになっていたかもしれない。
- セッティングが楽:ヘッドアンプの中では持ち運びが便利だし、メンテナンスも必要ない。電源をつければ、前に作った音が鳴る。
というところに集約できます。
で、我々Hecatoncheir sistersは昨年3月の屋外活動自粛から1年余、ワンマンライブを開催するわけです。
ワンマンライブの詳細についてはぜひコチラを。
せっかくのワンマンライブ。しかもその間に生み出した多くの曲は、まだ一度もライブで披露していないわけです。
せっかくだから「レコーディングで使った音をほとんどそのままライブで届ける」っていうのはKemperユーザーの特権を存分に活かしたいなと。
そう考えた時、家で作った音(家ではモニタースピーカー「YAMAHA HS5」を使用)で作った音を、スタジオで再現して、そのままライブハウスでも鳴らしたい。
それでこの間、音作りのためだけに一人でスタジオに入ったわけです。
そこで知ったことが、KemperはMarshallのキャビネットではなく、ジャズコーラスに繋いだ方が再現性が高い、ということ。
普段はMarshallのキャビネットで鳴らしていた
これまで、スタジオでもライブでもMarshallのキャビネットに繋いでいました。ヘッドアンプ持ち込んだらスタジオのJCM2000をどかして、Marshallのキャビネットに繋ぐということを、一度も疑ったことがなかった。昔からそういうものだと思っていたし、みんなそうしている。
ただ、Marshallのキャビネットって結構個性があります。例えば、僕がよく使うスタジオのキャビネット。確かMarshallの1960Aです。Marshallであることは間違いない。確か1960Aだったはず。
で、これもどこのスタジオにも置いてある定番キャビネットですが、若干、中低音の魅力に欠けるんですよね。特に僕は高音をスッキリさせるためにPRESENCEを結構出すんですが、ここがちょっとうるさく聴こえるんです。かといってローミッドを強く出すのも好みじゃない。
家だといい感じなんだけどなーと思いながら、まあそんなもんかと思っていました。
しかしせっかくのワンマンです。というか、1年近く家に引きこもって家で気持ちよく鳴る音を作り続けていたわけだから、物足りなさが凄い。
ということで、なんかいい方法ないかな、ということで調べてみたら、ジャズコーラスに繋ぐと良いよ、という意見を見かけました。
まず僕からしたらジャズコーラスをキャビネットとして使うことが可能というのも初めて知ったのですが、これが意外なほどフィット。自分のキャビネットを持ち歩くようになるまでは、スタジオでもライブハウスでも、ジャズコーラスで行こうと思います。
ということで、どんな音がするのかと繋ぎ方を簡単に。といっても、メチャクチャ簡単。
ジャズコーラスはキャビネットとしては意外と優秀
ジャズコーラスに対する率直な印象は、めちゃめちゃ使いづらい。まず音が硬いし、イコライザの挙動が極端すぎる。どこにでも置いてあるアンプですが、苦手なギタリスト多いと思います。僕も結構苦手。
ちょっと話がズレますが、以前ジャズコーラスをメイン機材にしていた時期もあります。
その時のセッティングは、ブライトスイッチをオンにして、BASSとMIDDLEをフルテン。TREBLEはゼロ。足元はブルースドライバー2台とウィードのクリーンブースター。
なかなかイカれたセッティングだと今は思います。ちなみにブルースドライバーは片方がリズムギターの歪み、もう片方は重ねがけしてリードギター用にしていました。
このセッティングの音はかなり気に入っていたんですが、その時使っていた謎ギターじゃないと合わなかったんですよね。
友人の親戚のおじさんの家に放置されていたストラトで、メーカーもよくわからない謎ギターです。手に入れたときは音も鳴りませんでした。
今はもうそのギターは完全に壊れて使えないので、もうあの時の音はどう頑張っても再現できないんだな、と寂しくなります。
話は変わりましたが、色々試行錯誤して気持ちいいセッティングを見つけたこともあったとはいえ、基本的にジャズコーラスが苦手だと言う話です。
なので、少し前までKemperをジャズコーラスに繋ぐなんて考えたこともなかったのですが、僕もちょくちょく見させてもらっている「エレキギター博士」さんのサイトにこんな記載が。
故障が非常に少なくメンテナンスが最小限で済み、サウンド的な個体差が少ないという利点が他のアンプを凌駕しているためか、どこに行っても設置してあるのが特徴です。使い尽くされ酷使された個体でも、サウンド的な劣化が少なく、日本全国どこのJC-120でもほぼ同じ音が出せます。これはJC-120を使いこなすことで、どこに行っても自分の欲しい音が得られるということを意味しており、このアンプを好んで使う最大の理由になり得ます。
これはまさに、「スタジオでもライブハウスでも同じ音が鳴らせる」ということです。まあこれは多くの人が知っていることだと思います。僕も、ジャズコーラスをメイン機にしたら色々楽なんだろうな、とは常々思っていました。
ところがここからは知らない部分。
もとよりオーディオ的な設計で作られているため、純粋な再生機器としても優秀で、近年増え続けるギタープロセッサーや高機能マルチエフェクターなどはJC-120のリターンに接続することで、オーディオ的な理想的再生環境を得ることが出来るでしょう
「純粋な再生機器としても優秀」ということは、普段モニタースピーカーで聴いた音で作っている僕にとっても、最高かもしれません。
で、実際に繋いでみた感想。ちょっと動画でも撮ればよかったなと思いますが、ないので口頭で。
- Marshallより素直。1960Aよりも高音がきつくなく中低音もバランスがいい印象
- モニタースピーカーとは違うけれどEQのちょっとした編集で十分好みに鳴る
- 高音の感度がいい意味で悪い。PRESENCEを大胆にイジれる
- 歪や空間系エフェクターのノリの良さはジャズコならでは
- ジャズコっぽい音の硬さはほとんど感じない
という感じ。
ジャズコーラスの素直さというか、敏感すぎて扱いづらい部分が丁度良くなった感じです。ジャズコーラスの扱いづらさって、プリアンプ部分にあるんですね。そこをKemperにしているわけだから純粋に素直なキャビネットという印象です。
Kemper→ジャズコーラスの繋ぎ方
ということで、最後にKemperからジャズコーラスに繋ぐ方法を簡単に。当然、通常のインプット端子から入れるわけではないです。調べていると通常のインプットに入れてMIDDLEを少し出すといい感じ、という記事も見かけましたが、まあ音の善し悪し以前に「家で作った音をそのまま出す」というのは全くできませんでした。ジャズコーラスから出ている音、という感じ。
ということで、僕はRETURN端子を使っています。実際の繋ぎ方はこんな感じ。
↓Kemper側
↑ジャズコーラス側
KemperのSPEAKER OUTPUTから、ジャズコーラスのRETURNへ。LEVELは-20dBuにしたほうがボリュームコントロールがしやすいのでおすすめ。
しかもこの方法だと、SPEAKER OUTPUTから出しているので、LINE出力とほぼ同じ音がジャズコーラスから鳴るので、PAにLINEで送る時の音もイメージ通りになりやすい。
とりあえず僕はKemper用のキャビネットを買って持ち運ぶ様になるまで、当分はこのセッティングで行くつもりです。
スタジオで便利なことは確認できたので、何度かライブで使って、実際にLINEで飛ばした音や中音聴いて見てからですが、現状、家にジャズコーラスの30wを自宅機材にしてもいいかも、と思うくらいには満足しています。