どうも、ヤスイです。
今日は新しくギターを持って意気揚々とロックスターを目指す新米ギタリスト(令和2年のこの時代にそんな人がどれだけいるのかわかりませんが)に向けて、ギターを学ぶ方法を軽く紹介します。
ギターの練習方法って色々あって、バックグラウンドは様々。雑誌とか教本、教室で学んでいく人も多いですけど、やっぱり多いのが「近所のにいちゃんに教えてもらって〜」とか「アニキが持ってたから〜」、「軽音部の先輩に〜」とかそういう系です。
僕はこういうアニキとか先輩とかに教えてもらっていたギタリストを「人脈系ギタリスト」、雑誌とか教本で学んだ人を「ぼっち系ギタリスト」、ギター教室とか行ってる人を「真面目系ギタリスト」と呼んでます。
まあすごい偏見ですけど、プロのギタリストに多いのは人脈系な印象。僕が基本的にロックシーンのギタリストしか知らないからだと思いますけど、ぼっち系も真面目系もあまりいません。
たぶんギターを始める時期にも影響してくるんでしょうね。「アニキが持ってたから〜」の場合、だいたいギターを始めるのは高校生くらいだから、本人はまだ中学生か小学生くらいの時にギターに触れるわけです。しかもアニキに追いつこうと一生懸命練習するわけじゃないですか。この数年はでかいですよね。本人が高校生になった時、もう周りとはレベルが数年分違うわけです。
僕なんかは高校生になる少し前にギターを始めたんですが、近所のTSUTAYAに行って「Guitar magazine」とか「Go Go Guitar」とか買ってそれで練習してました。つまり「ぼっち系」です。
教本とかはほとんど買ったことがなくて、弦の替え方とか音作りとか、そういうのはYouTube見てた記憶があります。
まあなに系とかは置いといて、僕も今となってはそうやって基礎をしっかりやっといたらよかったなーなんて思うことも多いですが、僕ら世代だと多いのがYouTube。YouTubeの弾いてみたとかエフェクター紹介とかそういうのを見て育った世代です。

僕ら世代はYouTubeが普及し撮影環境も整い質のいい弾いてみた動画が大量に登場した
そして令和2年、YouTubeでさえ大人の暇つぶしになって感性豊かなバンドマンでさえ「やっべ、TikTokの面白さがわかんねぇ」となっている今、世のギターキッズがギターを学ぶ場に使っているのが「Instagram」です。
つまり新世代、「ソーシャル系ギタリスト」の誕生です。実際、10代後半とかで出てくる海外のギタリストのインタビューを見てると、「Instagramに好きなアーティストがいて自分も上げようと思ったのがきっかけ」とかよくあるんですよ。すでにソーシャル系ギタリストがメジャーシーンにも登場する時代です。
そしてこのソーシャル系ギタリスト、うまい。うまいし革新的。誰かに基礎や理論を教わったわけでもなく、1分動画という音楽的には非常に新しいジャンルで学んだ世代です。Marshallの真空管アンプやGibsonのビンテージに憧れたりせず、自宅で鳴らせるYAMAHAのミニアンプ、Fenderのニューモデルがスタンダードな世代。
新米ギタリストに向けてとか言っていますが、どちらかというと旧世代、自分のために書いています。
熟練ギタリストの皆さん、Guitar magazineとか呼んでる場合じゃないんですよ。Instagramを見ないといけないんです我々は。令和ですよ時代は。TikTokについていけなくても、少なくともInstagramにはついていかないと。
ではこれからInstagramで素晴らしいパフォーマンスを見せているギタリストのアカウントを10個くらい紹介します。
※これから探すんでもしかしたら10個もないかもしれませんし、10個以上になるかもしれませんが気にしないでください。
- Melanie Faye(メラニー・フェイ)|@melaniefaye
- Tash Wolf(タッシュ・ウルフ)|@tashwolf
- guitar|@guitar
- Mateus Asato(マテウス・アサト)|@mateusasato
- 6 Strings Daily|@6stringsdaily
- Mauricio Murúa(モーリシオ・ムルーア)|@mauricio__murua
- Brian Kmetz(ブライアン・クメッツ)|@brian_kmetz
- 猪居 亜美|@ami_noi23
- まるやまたつや|@maruyama_tty
- Sophie Giuliani (ソフィー・ジュリアーニ)|@sophiegiuliani
- インスタ見ながら練習したいからタブレット対応はよ
Melanie Faye(メラニー・フェイ)|@melaniefaye
1998年生まれの新生ニューカマー「Melanie Faye(メラニー・フェイ)」です。いやもう最高にソウルフル。ソウルフル。ソウルフルってなんでしょうね。ただそんな言葉が出てきます。
たぶんジャズとかの系譜なんでしょうけど、こういうジャンルの音楽ってわざわざCD買って聴かないじゃないですか(ジャズファンの方ごめんなさい)。そのせいか、ここまで弦の音で表現するギタリストってなかなか見たことないです。少なくとも今の日本の音楽シーンを普通に聴いててもなかなか出会えない。インスタを漁るとこうやって自分が聴かないジャンルの音楽にもすぐ出会えることが魅力です。
ギターを始めたきっかけはXboxの「ギターヒーロー」というゲームらしいです。まさに新世代ですね。
そのわりには部屋にはジミヘンのポスターが。
ジミ・ヘンドリックスは道を切り拓いてきた人だと思うの。たとえジミがあなたのお気に入りのプレイヤーでなかったとしても”あなたのお気に入りのプレイヤーのお気に入り”であることは間違いないものよ。
引用:ギターマガジン
とまあこんなふうに語っています。21歳くらいでなんて卓越したコメント。言われてしまえばそのとおりなんですが、こんなにはっきり言えるもんですかね。
これも最高です。使っているキーボードはAKAI Professionalの「MPK mini MK2」の白いやつですかね。僕は赤い方を持ってるんですが、音の入れ方が分からなくてまだ鳴らしたことがありません。彼女から学びたいと思います。
ベースもすごいセンス。無駄にテクニカルなフレーズ詰め込んだりしないところがいいですよね。
それよりなんなんでしょうこの服。マツコデラックスに憧れてるんでしょうか。
Tash Wolf(タッシュ・ウルフ)|@tashwolf
ジャジーでブルージー、そしてスタイル抜群、Tash Wolf(タッシュ・ウルフ)さんです。やっぱり淡い音を出す女性ギタリストはいいですね。Instagramにぴったりです。ヒゲモジャの股下でレスポール掻き鳴らすようなメタラーはライブ映像を見るにはいいですけど、インスタで見たいものじゃないです。
こんなファンキーな音も出すんですね。ファンキーなブルーズというのか、普通にオールドロック系のニュアンスもあります。
彼女はストラト、セミアコ、フルアコ、アコギといろんなタイプのギターを使っているみたいなんですが、どれもいろんな表情があって面白い。
個人的にはこういうリズム感、コード感はかなり好きです。音作りもいいですね。ピッキングの強さによって歪み方が変わるのもフェンダーギターならでは。僕みたいにハイゲインで育ったギタリストにはなかなか出せないニュアンスです。
というか日本にあんまりいませんよね。ピッキングとか、コントロールノブとか、ギター側で歪み調整する人。勉強しよう。
guitar|@guitar
@guitarって、よくそんなアカウント取れましたね。全ギタリスト、ギター関係者を代表するつもりですか。
まあ代表してもいいんじゃないかというくらいすごいアカウント。ずっとみれます。
このアカウントはIGTVを使って1分以上の解説とかインタビュー動画を上げているみたいですね。全部英語なので何を言っているのか、どんな人が出ているのかよくわかりませんが、まあ凄そうな人が出ています。
上の動画はFenderの「Tone Master Deluxe Reverb」の演奏風景。Fenderの名機「Deluxe Reverb」がデジタルで復刻したのが「Tone Master Deluxe Reverb」らしいのですが、この音、デジタルとは思えません。こんな心地いい音がデジタルアンプから出るんですね。しかもファームアップデート用にUSBポートとかついてるんですよ。この見た目で。
真空管信者の皆さん、そういうことです。この音で「Deluxe Reverb」の半分の重さしかないらしいです。当然真空管アンプにありがちなトラブルもない。
そういうことですよ。そういう時代なんですよ。
こちらはFenderの「American Ultra Stratocaster」のデモ動画ですね。これはありがたい。American Ultraってたしか2019年にアメリカン・エリートがアップデートされたFenderの新シリーズ。こういう機材の紹介はありがたいです。英語なんでニュアンスしか分かりませんけど。
1:30くらいで押したコントロールノブのボタンはいったいなんでしょうね。あれ押した瞬間、パワーがグッと上がる。普通にピックアップ切り変えてるときは「あ〜Fenderのストラトってこういう感じだったなー」って感じなんですが、このボタンでがらっとニュアンスが変わります。
僕は常々「日本人には日本産ギターがベスト」って言ってるんですが、よくよく考えたらFenderもGibsonもプロ向けラインのギター使ったことないんですよね。いや、ちょっと本気で試奏しに行きたくなってきました。
Mateus Asato(マテウス・アサト)|@mateusasato
かっこいい。これはカッコいい。僕は速弾きとか早々に諦めた組なんですが、チャレンジしたくなってきます。このピッキングのニュアンスがすごいですよね。
Mateus Asato(マテウス・アサト)さん、ブラジル出身の日系人で1993年生まれ、僕と同い年なんですね。
ライブとか完全ハードロック系なんですがこの方ファズとかほとんど使わないんですよね。オーバードライブとかクランチ系がほとんど。空関係は結構いろいろ使ってるみたいですが。
一昔前のハードロックみたいにごりごりのファズ、ディストーションサウンドじゃなくて、音の粒とかピッキングのニュアンスが聴き取れるくらいのオーバードライブ。インスタでも人気になる理由がわかります。
それでアコギも弾けちゃうと。しかもカントリー?ポップス?ジャンルはよくわからないですけどこの顔。そして投稿のコメントは「good morning」。ほんとに26歳なんですか。
しかも使ってるギターが Taylorのおそらく800番台のシリーズ。僕なんかこの前、自分のバンドのレコーディング費にTaylor312売っちゃいましたよ。
それはそうとマテウス・アサトさん、かなりの日本好きのようでこの曲のタイトルは「Kyoto’s Jam」
ツアーでも日本によく来ているみたいなので、機会があったら一度観てみたいですね。ライブよりどこかの楽器屋とかにギタークリニック的な感じで来てほしいですね。
6 Strings Daily|@6stringsdaily
続いては僕が最近ハマっている6 Strings Dailyです。アカウント名からわかる通り、ギター関連の動画や画像がだいたい毎日上がっています。ギタリストにとって嬉しいのはタブ譜が付いてたり、有名曲のカバーがあったりするところですね。どれも短いのでちょっとコピーしてみるかっていう軽い気持ちで練習できます。
まあこれとかもう何がどうなってるのか、どういう右手のトレーニングをすれば近づくのか見当もつかないやつもありますが。しかしまあ、この人のカッティングすごい。カッティングってそういうものでしたっけ。
これももう、ギター1本でやってるんですかね。実は多重録音だったりするんでしょうか。まあここまでくるとエンタメ。勉強になるとか参考にするとかというよりも「アコギってこんなこともできたんだー」っていう程度です。
こちらはQueenのボヘミアン・ラプソディ。フレディーがピアノで弾いてるイントロ。いやあ、エモい。フレディーのピアノもたいがいエモいけどこのギターもめちゃくちゃエモい。チョーキング、スライド、ディレイ、全部がエモい。
いや、ダメだ。いいものをエモいとしか表現できなくなったらそれこそ表現者として終わりです。猫も杓子も「エモーい」の時代ですからね。気をつけないと。
レッドホットチリペッパーズの「Can’t Stop」
こういういわゆる“乾いた音”ってどうやって作るんでしょうね。ほんと教えて欲しいです。レッチリのギターって難しいわけじゃないから音作りが致命的。この人は音作りが完璧です。
僕もコピーしたかったけどなかなか出来なかった曲ですね。おんなじフレーズ弾いてるのに同じようにならなくて。
Mauricio Murúa(モーリシオ・ムルーア)|@mauricio__murua
この記事を書くためにインスタでいろんなタグを散策してたらすごいギタープレイを見つけてしまいました。そう、アメイジンググレイスです。この方、検索しても全然情報が出てこなくて、モーリシオ・ムルーアという読み方も僕の発音なので間違ってたらすみません。日本では無名な方なんでしょうか。結構すごいプレイヤーだと思うんですが。
こういうベーシックなレッスンものせてくれてます。こういうのが大事なんですよね。うちのサポートドラマーも以前言ってました。基礎を1年続けるだけで変わるって。僕もこういうのやり始めようかな。
いろんなトレーニングフレーズの楽譜を出しているんですが、ロック系からブルーズ系、ジャズ系までかなり幅広い。基本のペンタトニックからちょっとした曲までレベルも様々。この人のアカウントフォローして毎日投稿をコピーするだけでそこそこうまいギタリストになるんじゃないかと思います。
僕はフォローしてやりますね。頑張って1ヶ月は続けます。一緒にやりましょう。
Brian Kmetz(ブライアン・クメッツ)|@brian_kmetz
この方もほとんど情報がありませんでした。Kmetzはクメッツでいいんですかね。ぜんぜん違う国かもしれません。スペインとかフランスとか。音楽的にはアメリカのロックンロールって言うイメージ。イギリス的ではない気はするけれどよく分かりません。
でもストレートにカッコいいですね。インスタで人気のギタリストはおしゃれ系がおおいですから。たまにはこういうストレートにカッコいいロックも紹介しておかないと。
こちらはZZ Topの「La Grange」なんですが、いわれないと分からないくらいアレンジされてますね。こんなフレーズありましたっけ?
めっちゃ声いい。もうしわけないけど笑ってしまいました。
しかしこの外国人のFenderの鳴らし方はいったいなんなんでしょうね。こんな音なります?Fenderで。
日本に輸入されてるFenderがカスばっかりなのか、日本人の音づくりが下手なのか、レオ・フェンダーが日本人嫌いで日本人が持つといい音ならないように仕込まれているかいったいなんなんでしょうね。
日本でもFender使ってる人って珍しくありませんけど、この音出せる人はなかなかいない気がします。
僕もこの音出せるなら今すぐFender買いたいんですけどね。おんなじギター、おんなじアンプでも出ないんですよ。こういう音。
猪居 亜美|@ami_noi23
かなりジャンルは違いますけど日本が世界に誇るクラシックギタリスト、猪居 亜美さんです。この方の動画見るの好きなんですけど、僕みたいにジャパニーズロックで育った人間からするとクラシックギターの速弾きほど理解できないものはありません。このずっとメインメロディで鳴ってる6連符はどの指が鳴らしてるの?
これも装飾音符どう鳴ってるかわからない。だってそんなに速く右手動かしてないでしょ。左手でタッピングとかしてるようにも見えないし。これはもう見えない指が左右に3本ずつくらいあるとしか考えられない。
久石譲さんのsummer。何度でも聴けますね。この音色は。
まるやまたつや|@maruyama_tty
また面白いギタリストを見つけました。アコギとかソロギターで活動されているまるやまたつやさん。2019年2月に会社を辞めてプロミュージシャンとして活動し始めたみたいですね。
エレキソロギター独特の良さがありますよね。アコギも柔らかくていいんですけど、やっぱり僕はエレキの音が好きですね。ちょっとザラついてて角がある音というか。生じゃない感じ。
これすごいですね。なんの音ですか。
これも不思議な音ですね。アコギなんですがどのメーカーなんでしょう。完全にアコギなのにアコギっぽくないような音がなります。
Sophie Giuliani (ソフィー・ジュリアーニ)|@sophiegiuliani
音やわらか!どんなハッシュタグで検索したらいいギタリスト見つかるかなーと思って、「テレキャスター」とかギターのタイプで検索してたら見つけました。オーストラリアの19歳、ソフィー・ジュリアーニさん。
いやあ、音が柔らかくていい。一周回ってエレキギターだから出せる柔らかさ。
ストラトになるとまた印象が変わりますね。このピッキングの強さでちょうどよく歪ませるテクニック、誰に教えてもらったんでしょうね。両親でしょうか。だったら羨ましい限りです。歪みはエフェクターじゃなくてボリュームとピッキングで作るという概念、普通にギターやっててもなかなか辿りつきません。
特にぼく世代のギタリストはYouTubeでボーカロイドの弾いてみた聴いて育ってますから。名作マルチエフェクター(BOSSのMEシリーズ、GTシリーズ)とかが安く普及して好きなだけ歪ませれましたから。
インスタ見ながら練習したいからタブレット対応はよ
さてさて、いろんなギタリストのインスタグラムアカウントを紹介しましたけど、正直どうです?凄くないですか。ギターの教本とかもういらないです。インスタにタブ載せてる人も少なくないんで、すぐコピーできますすしあとやっぱりインスタのギタリストは手元がしっかり見えるんで参考にしやすいですね。あとみんな若い。これもインスタという媒体パワーなんでしょうね。専門学校や音大に行って順当に活動してメジャーシーンに行く。そんな時間かけてられねえといきなりリスナーの耳に届けてファンと獲得した人がたくさんいます。
個人的にはMelanie Faye(メラニー・フェイ)の音がすごく好きです。ネオソウルっていうんですか、こういうジャンル。不思議と訴えかけてきますよね。彼女もいろんなステージで弾いてるみたいですが、やっぱりジミヘンの絵をバックにあぐらかいて弾いてる姿がいいです。
まあ今回もせっかくの休日を使ってこの記事書いて1番の気づきは自分の聴いてきた音楽の幅の狭さですね。僕はギターキッズというよりバンドキッズなので、ギターがメイン、ギター1本で魅せるジャンルを聴いてこなかったので勉強になりました。
@6stringsdailyとか@guitarなんかはほんと毎日見て好きなやつはちょくちょく練習してみたいとおもいます。かっこいいですよね。ピッキングのニュアンスで聴かせる系のギター。
最後にInstagramに対して文句。こうやってギターの練習とかにギターを使うとなると、スマホじゃなくてPCとかタブレット使いたいじゃないですか。でもまあご存知の方も多いと思いますけど、InstagramはPCやタブレットでの使い勝手が非常に悪い。インスタもそろそろこういう使い方の多様化を踏まえていろんな環境に対応してほしいものです。