まだまだ高橋優を振り返る|2013〜2020年

まだまだ高橋優を振り返るリスナー向け
高橋優のベストアルバム『高橋優 BEST 2009-2015 『笑う約束』』

こんにちは。HORNnet編集部です。

今日は前回書いた高橋優を振り返る記事の続きです。

前回はアミューズに所属が決まり上京してから1年後の2009年〜楽曲制作に悩む姿を形とした2012年までを振り返りましたが、今日は2013年〜2020年10月までの約8年間を振り返ります。

HORNnetにもたびたび高橋優の記事を書いていますが、わたしは生きていて何度も彼の楽曲に救われることがありました。
しかし、知名度が上がりメディアで見ることが多くなったり、家族知人から高橋優という単語を聞くようになることが増えてから、なんだか遠くに行ってしまったと勝手に感じてしまい、今までのように応援ができなくなりました。
今回書く期間のどこかでそう感じてしまうのですが、この記事を書くにあたり今の彼を調べてみると、離れている期間があってもどこかで聴いたことがある曲が多く、驚きました。

2013年|沈黙をぶっ壊す

2013年4月、8thシングル『(Where’s)THE SILENT MAJORITY?』をリリース、5月〜9月までライブハウス・ホールツアーを行いました。

(Where’s)THE SILENT MAJORITY?

この曲はアレンジと演奏に高校生の頃から憧れのBRAHMANが携わっています。

声なき声を響かせてこうぜ Power to the people!!!!
沈黙はぶっ壊してやろうぜ

原発問題であったりあらゆる問題に対して沈黙でいる日本人ってなんなんだろう、と今まで自身がなかなか言えなかったことを表現した曲。憧れの人の背中を見たことで、以降の作品作りに大きな影響を与えたと語っています。

ツアーを行いながら5月に9thシングル『同じ空の下』を、7月には3rdアルバム『BREAK MY SILENCE』をリリースしました。

CANDY

この曲は『BREAK MY SILENCE』に収録されている曲で、自身が小学生の頃に体験したことを唄っています。彼は今までの自分だったら唄えてなかったが、沈黙を破るため唄おうと思えたと語っています。

強かに生きていこうと誓った
これは繰り返さぬための歌
追いつめ奪うのが正義なら 僕は世界でも敵に回そう

“これは繰り返さぬための歌”もうこれがすべて。
何度聴いても涙が出ます。一人でも多くの人に聴いてほしいと切に願います。

そして11月には初の武道館ライブを開催し、大成功に収めます。

この頃の高橋優はどんなにネガティブなテーマだとしても唄うと強く決心し、会場がライブハウスだろうが武道館だろうがどこであれ、一度しかないライブに対し全力で行いました。しかし全力であるがあまり『BREAK MY SILENCE』で自分の喉をブレイクしてしまうという事態にも。今だから笑える話ですが、当時は無理やり乗り切っていたと語っています。

2014年|光と影

3月に10thシングル『パイオニア/旅人』を、5月に11thシングル『太陽と花』を、8月に4thアルバム『今、そこにある明滅と群生』をリリース。そして10月から翌年3月まで全国ホールツアーを行います。

旅人

この曲は完成まで悩みながら書き苦しんだと語っており、2013年に沈黙を打ち破るとタンカを切ったことで自分は何を言うのか・なぜそれを言うべきなのかに囚われ、産みの苦しみを味わいます。

傷つく人に出会って
自分の傷の意味を知った
痛み分かち合えるって 光に思えた

始まりも終わりも知らされず 誰もが今を歩いている
巡り合う命の繋がりを人は愛と呼ぶ

自分を閉じ込める殻をいろいろな角度で見つめ、出会った人たちのおかげで自分自身が成長できたという感謝の気持ちが込められた曲。
わたしたちも幸せや愛という答えを探しながら、人生という長い道を旅している旅人なのかもしれません。

パイオニア

一方でこの曲は悩み苦しむことなく作られた曲。

人間関係煩わしい けど人は一人きりじゃ生きていけない
光探すより自分が照らせる暗闇を見つけていたい

彼が考えているいろいろなことを歌詞に当て、軽快なリズムに合わせ言葉だけ聞いた時、確かにって頷いてもらえたらいいなという思いが込められています。

この頃の高橋優は自分が声を上げること自体は大切ではなく、誰かの言葉を聞くために自分が声を上げ、悩んでいる人の言葉や言いたいことを言わせてあげることが優しさであって愛なんじゃと感じ、見たものや感じたものをすべて形にします。
すべての悩みを解決することはできない、でも照らせる闇もきっとあるはずという思いを光と影に例えて楽曲やライブで伝えています。

2015年|デビュー5周年

6月に12thシングル『明日はきっといい日になる』を、7月にメジャーデビュー5周年を記念したベストアルバム『高橋優 BEST 2009-2015 『笑う約束』』をリリース、秋田県で行われたベストアルバム記念祭で「あきた音楽大使」に任命されます。

明日はきっといい日になる

この曲は未来に希望が持てないこの世の中に対し、たのしいことはあるし、いい日は来ると伝えてくれる曲。

明日はきっといい日になる いい日になる いい日になるのさ
どの出来事も君を彩る 絵の具になる 絵の具になるでしょう

メジャーデビュー時には願望や希望などを唄っていましたが、5年を経て笑顔になれることに対する確信を強く持って唄っています。メジャーデビューから5年間、様々なことを経験してきたからこそ唄える曲。
“明日はきっといい日になる”って口ずさんでいたら本当にいい日がやってくるんじゃないかとわたしも思います。

そして10月〜12月にはベストアルバムを引っ提げ、日本武道館公演2daysを含めたホール・アリーナツアーを行い、追加公演を含め全15公演すべてSOLD OUT、過去最大規模の5万人動員を記録しました。

高橋 優5th ANNIVERSARY LIVE TOUR「笑う約束」”DVD&Blu-ray ダイジェスト

これがそのツアーのファイナル公演神戸ワールド記念ホールで行われたライブ映像。
盛り上がる曲・しっとりと聴かせる曲・みんなで一緒に唄える曲…この5年間で様々な曲が高橋優から生まれました。

この頃の高橋優はデビュー5周年を迎えたことで音楽をたのしんでもらいたいし、存在を面白がってもらいたい、そのためにはどんな形であれ唄い続けると語り、全国各地で唄います。

2016年|過去と未来

3月に13thシングル『さくらのうた』を、6月に14thシングル『産まれた理由』を、8月に15thシングル『光の破片』をリリースします。

産まれた理由

この曲は高橋優のデビュー前から一緒に仕事をしてきたスタッフの結婚を受けて書き下ろされた曲。

いつか そういつの日にか僕も愛する人と巡り会える
その日が来たら そんな日が来たら
僕も父さん母さんみたいに笑えるかな?
その頃には分かるようになるかな?
二人が愛し合った意味
僕が産まれてきた理由を

新郎目線で人との出会いと結婚・生命の誕生や幸せについて唄っており、結婚する人たちに対しておめでとう・幸せになってねという言葉に代わる曲を書きたかったと語っています。
本人もまさか「ねぇお父さん」から始める曲を書くなんてと驚いたそう。

そして9月には地元である秋田県横手市にて初の自身主催での野外音楽フェス「秋田CARAVAN MUSIC FES 2016」を開催。11月に5thアルバム『来し方行く末』をリリースし、12月から翌年4月まで横浜アリーナ2days・大阪城ホールを含む全国ホール・アリーナツアーを行います。

BEAUTIFUL

この曲は『来し方行く末』の最後に収録されている曲で、言葉というものが相手の心まで届きづらくなっている世の中に対し、届けようと意識して作られた曲。

ただ一人じゃない そう一人じゃない
ほんの少し笑い合いたいだけ

一つだけでいい 信じてほしい
君は美しい

“君は美しい”という言葉がすべて。男女問わずあなたの生き方・頑張っている姿は美しいと人生をテーマとしたライフソングです。

この頃の高橋優は今まで(過去)だけでなくこれから(未来)をとても意識したと語っています。デビューしてからはずっと白黒ハッキリつけなきゃ・正しさとはこうだと唄っていたところ、押しつけになるのは絶対によくないし、いろんな切り口もあっていいと時に曖昧にしながらも、自分の中にある気持ちを表現しています。

2017年|これぞ高橋優

1月に書籍「高橋優 自伝」を発売、4月には16thシングル『ロードムービー』を、7月に『虹/シンプル』をリリースします。

関連記事:売れてないアーティストは絶対に読んでほしい「高橋 優自伝」

ロードムービー

この曲は25周年記念で作られた映画「クレヨンしんちゃん 襲来!! 宇宙人シリリ」の主題歌として書き下ろした曲で、自分ではない誰かとのつながりや歩める旅をテーマとして作られました。

繋がっているよ 離れていても
繋がっているよ なにがあっても
きっと きっと 会いにいくよ 君と笑い合えたらいいな

一緒に戦っている仲間がいたり共に歩んでいる誰かがいたり…会えないけど思っている人がいる時間はすごく価値があるものなのでは、というメッセージが込められています。

そして9月には「秋田CARAVAN MUSIC FES 2017」を由利本荘市にて2日間開催し、11月には18thシングル『ルポルタージュ』をリリースし、12月から翌年3月まで過去最大級となる全国37公演ホールツアーを行いました。

ルポルタージュ

この曲はドラマ「オトナ高校」の主題歌として書き下ろした曲で、脚本を見ながらインディーズの頃の自分が出せるんじゃとワクワクして作った曲と語っています。

誰もが皆 顔で笑い 心で泣いて 目に見えぬ血を流しながら
戦っている 戦っている 言い知れぬとても大きな存在に
汚されても 奪われても 触れられる愛を求めて
まだ大丈夫 まだ大丈夫 きっと何もかも間違いじゃないさ

踏みとどまり 踏み出し続けて 大切な人の笑顔に会える日まで
君がいる限りこの世界は素晴らしい

タイトルであるルポルタージュとは現地報告という意味。人と違うことをしたらはみ出だしていると言われ叩かれる息苦しい世の中など、自分が今見えているものをそのまま伝え、こうしようぜと訴えかけるのではなくどう思いますか?と留めているのでこのタイトルを付けたそうです。

この頃の高橋優はCM・ドラマ・映画など様々なメディアで楽曲を使われ、取り上げられることが増えました。まだ直接音楽を伝え切れていない地域にも音楽を届けたいと最長ツアーや自身主催のフェスなど多くのライブを行い、7年間積み重ねて来た高橋優を見せてくれました。
そして見た人は元気になり前向きな気持ちになれる、音楽の力は素晴らしい。

2018年|もう一度、曝け出す

5月に19thシングル『プライド』をリリースし、9月には野外音楽フェス「秋田CARAVAN MUSIC FES 2018」を仙北市にて開催します。

プライド

この曲はツアー中に作詞作曲を行ない、アニメ「メジャーセカンド」のエンディングテーマにもなった曲。

どこを見渡してみても希望がないのなら
君自身がそれになり 誰かを照らせるってことさ
誰にも期待されてないくらいが丁度いいのさ
ここにいる意味を刻み込むのさ 何度倒れても

ツアーを通じ前向きになれ、明日からまた頑張ろう、次に向かっていこうと相手に向かって表現しようと思い、できたそうです。

そして9月には20thシングル『ありがとう』を、10月には6thアルバム『STARTING OVER』をリリースし、12月から翌年3月までホール・アリーナツアーを行います。

ありがとう

この曲は書きたいことが多く、ひとつの曲の中にまとめるのがすごく大変だったと語っています。

ありがとう この世界に君という人が生まれてきてくれたこと
ありがとう そして今ここに君と僕とでいられるということ
ずっと前から描いてきた夢を叶えた僕じゃないとしても
君と巡り会えた僕はどんな未来より幸せだよきっと

悩んだ末、1曲の中で届けられることはそんなに大それたことじゃない方がいいと思い、テーマを落とし込み、真っ直ぐな歌詞に仕上げます。

この頃の高橋優は6thアルバム名でもあるSTARTING OVER:再出発を始めます。前回のツアーで幸せになった反面、これで満ち足りたと思ったらもう終わりと感じたため、今までの高橋優を一回ぶち壊そう・今からメジャーデビューするくらいのテンションでやろうと決意し、アルバムを通じてもう一度自分を曝け出します。

2019〜2020年|悩みもがき、新たな一歩へ

2019年9月には4年目となる「秋田CARAVAN MUSIC FES 2019」を大仙市にて開催し、2日間で18,000人を動員。
そして12月から2020年3月まで全国28箇所・33公演となるライブツアーを開催していましたが、新型コロナウイルスの影響により、2月末以降の9箇所・11公演が中止となりました。

2020年6月、アミューズとの専属契約を満了。メジャーデビュー10周年を迎えた7月に『one stroke』を、8月には『room』を、9月には『自由が丘』を配信限定でリリースします。

one stroke

この曲は前回の新曲から1年9ヶ月ぶりの曲。2019年から開催されていたツアーで変化させていき、完成となりました。

口を塞いだまま今日を過ごしたのかい?
誰かの声で塗りたくられたジャケット 心地はどうだい?
こんなもんかと日々を諦めて
そのあとうずき出すのが道標

聞こえるよ 聞こえるよ
あの日の夢と希望
叶えられやしないとか
本気で言ってないだろう?

時が流れ 大人になって
僕の中で 高鳴るSTROKE STROKE
歳をとって 大人になっても
耳を澄ませ 高鳴るSTROKE STROKE STROKE

タイトルのone strokeとはいち移動・ひと羽ばたき・泳ぎのひとかきといった意味。自身のひと羽ばたきを言い換えるとどうなるか考えながら作られ、さらなる一歩を踏み出したいという思いが込められています。

そして10月、7thアルバム『PERSONALITY』をリリースします。

高橋優 「PERSONALITY」ティザー映像

今の高橋優は何を語るのか、この映像を見て気になった方はぜひご購入ください。
ちなみにわたしも買いました。

PERSONALITY

2019年の高橋優はツアーを行ったことで自分の中を空っぽにし、ゼロに戻しました。その結果、4ヶ月くらい試行錯誤する時期があったと語っています。どうするの?歩くのやめるの?と自分自身に投げかけ、この状況から打開していきます。その中で自分自身が音楽を本当にたのしみ、聴いてくれる人にも自由にたのしんでほしいという気持ちを大事にしたいと思い、この思いを込めツアー名にfree style stroke:自由形と名づけ、ツアーを行います。
が、2020年に入り予期せぬ自体で中止へ。自粛中は曲作りに没頭しますが、自分の外側で起きている出来事に対し、内側で渦巻いていたものが表に出始めます。デビュー当時からずっと持っていた人様に見せるのもおこがましいような自分、そんな自分を出す曲が増えたと語っています。
また、自粛を通じこんな時代だからこそ、これからもライブ(人と会うこと)を大切しながら音楽活動を行なっていきたいと強く思います。現在の音楽業界ではリモートライブなど、直接会うことの重要性をなくしつつありますが、そこには反発していきたいと語っています。

「満たされない」「物足りない」

以上が2009年〜2020年10月現在までの高橋優。かなり短くまとめてしまい申し訳ないですが、彼の音楽に対する愛情や熱意・情熱などなにかしらがこの記事から伝われば幸いです。

冒頭で高橋優という人間がなんだか遠くに行ってしまった気がして離れたと書きましたが、高橋優という人間そのものは何も変わっていなかったことが嬉しく、そしてくだらない理由で離れてしまったことに対して心苦しく思いました。
”今思ったことを今唄う”というスタンスは変わらず、自分の中の孤独や怒りが消えることはない、むしろ年々ひねくれていると語る彼はわたしの中で輝いていたあの頃のままでした。

どれだけ曲を作ってもメディアに出てライブをしても「満たされない」「物足りない」。だからわたしたちに音楽を届けてくれているのではと感じました。きっと満たされるようになったら彼の音楽活動は終わってしまうでしょう。

時にはもがき苦しみながらも一歩ずつ着実に歩き続ける高橋優のように、わたしもなりたい。

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