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「永遠のテーマ」と向き合う集大成としての活動
柔軟な表現で「愛と死」を追いかける男女ユニットの「深夜徘徊」に17日、コロナ禍でもオリジナル曲の「夜明ケ」をYouTubeで配信するなど、前向きに自分たちの音楽を届ける姿勢について聞いた。コロナ禍で活動にも制約がある中、マニュアルのない自由な発想を持つ2人の集大成としての活動は歩みを止めない。
メンバーのなっちゃん(ボーカル)さん、笹かまこうへい(ギター・作詞・作曲)さんは、今年2月に同グループを結成した。新進気鋭の男女ユニットとして、東京、埼玉で活動する。メンバーらしさを全面に出した何色にも染まらない自由な楽曲づくりを行う。ミュージシャンとして経験のある2人が辿り着いた集大成の活動となる。
同グループのコンセプトは「愛と死」。難題に対し、「人が向き合う永遠のテーマ」として、リスナーの心を「徘徊」する。
人は必ず「死」を迎える一方で、その間に「愛」に触れ合う機会も必ずある。人が生きていく上で、無意識に向き合い続ける問題。
難題を分かりやすく表現するために、挑戦する意識を常に持つ。コロナ禍でライブハウス、路上ライブなどで実演ができない状況下で、音楽を発信する工夫として、カバー曲などを中心にYouTube配信を実施している。
カバー曲の選定では、流行などにも配慮する。一方で、歌謡曲、ポップス、ディズニー、ジブリなどにも挑戦する意気込みを見せた。
2回目の配信では、初のオリジナル曲「夜明ケ」を披露した。和をテイストにした楽曲がリスナーを惹きつけた。当たり前、重みのあるテーマを掲げるからこその自由な捉え方ができる楽曲だった。
筆者自身は、「夜明ケ」について、夜中と昼で捉え方が違う自分がいることに気付いた。夜中では自らの公私共々の出会いと別れを思い出してはまだまだ成長しなくてはという決心を得た。
一方で、昼間の特に夕方に近い時間帯に聴くと失恋にも似た物悲しさを覚えた。その上で、一つの楽曲で自由な受け取り方ができる魅力を感じた。何度も聴いて多様な捉え方ができると楽曲だと思った。
未来へ向かう「決意」と過去に振り返る「切なさ」の2つのベクトルを味わえた。
マニュアルなく、自由な楽曲でリスナーに夢を
音取りでは、思うように表現できないなどの理由で、グループの味を出すことに苦心したという。歌詞一つ一つの表現を熟慮した。
作曲中について、笹かまこうへいさんは、「リスナー視点で、売れることを考えず、自分たちらしさを生かすことだけを考えた。大変だったが、楽しく取り組めた」と語った。
動画配信の実施では、グループの課題も発見した。なっちゃんさんは「歌い手として、表情、身振りなどボーカルとしてもっと自分を磨いていきたい」と前向きに話した。
9月、チャンネル登録者数0人から週1回ペースで開始した配信は、1カ月弱で51人に上り、着実に数字を伸ばす。今後は配信回数を徐々に増やす考えだ。グループを深く知ってもらうために個性を生かした企画なども予定している。来年には10万人の登録者数を目指す。
グループのこだわりは、「制限しないこと」、「やれることは、やってみる」の2つが挙がった。ジャンルはロック、ジャズなどを含め、表現の幅を広げた活動でリスナー一人一人が自由に受け取りやすい音楽を作るという。
同グループは、今後の活動で、「グループを見ているだけで笑えるような存在でありながら、リスナーに夢を与える音楽を発信していきたい」と語った。
(新井将太)