ロックバンドが映画を創る。無謀なチャレンジの当事者兼傍観者です

ロックバンドが映画を創る。無謀なチャレンジの当事者兼傍観者ですリスナー向け

どうも、ヤスイです。
今日はHecatoncheir sistersのギタリストではなく、TEAMtheULTRALEAの一員のyuzonとして書きます。
なんで僕がyuzonと呼ばれているか、とかtheULTRALEAとの関係とか、そういうのは一旦おいときましょう。多分書きながら出てくるので。

ざっくりと説明すると、あるバンドのボーカルが「映画創りたい」とか無茶なこと言い出して、なぜかそのバンドのメンバーも賛同しちゃって、腐れ縁で僕も協力することになり、とにかく金がねえとなってクラウドファンディングをやったら315万円も集まり、不思議なものでいいロケ地、キャストに恵まれ想像以上の作品になって、ようやく2020年6月14日に上映する、という物語。

これがその映画の予告。これを見て、面白そうだなと思ったら続きを読んでもらいたいと思います。僕自身、この記事を誰に向けて書いているのかよくわからず書いていますが、[映画]人間あそびに興味を持つ人なら、読む価値があるんじゃないかと思います。

とはいえ、これだけで映画に興味もてっていうのも乱暴かもしれないので、もうすこし紹介。

[映画]人間あそびコンセプトビジュアル

この画像、まだ映画が創れるかもわからない、そもそも脚本も完成していない状態で作られた[映画]人間あそびのコンセプトビジュアル。安っぽい言い方をすると、サスペンスとか、ヒューマンドラマ系の映画になるんでしょうが、「お前が宗教になる覚悟はあるか?」という一文。個人的にはめちゃくちゃ好み。ビクンときますね。

映画人間あそびポスター
こちらはポスター。主演の麻呂は元々ヨルトエというバンドのボーカルで、アキミチヒラクの4倍くらい才能に満ち溢れてる。しかも絵になるいい顔をしてる。

※アキミチヒラク=映画を創りたいとかいいだしたバンドのボーカルで、この映画の監督。後で詳しく。

で、ロックバンドが映画を創るということで、元になった楽曲がこちら。

その名も「人間あそび」
これまでもロックバンドとかアーティスト自体がテーマになっている映画はたくさんありました(マイケル・ジャクソンのTHIS IS ITとか、Queenのボヘミアンラプソディとか、モーツアルトの影に隠れた天才サリエリに焦点を当てたアマデウスとか)。
ただ、ロックバンドの一楽曲に対して、それそのものをテーマにした、というか曲そのものを映画にまで拡大させた例はなかなかないんじゃないかなと思います。Queenのボヘミアンラプソディは、あくまでQueenとフレディ・マーキュリーが主役のドキュメンタリーなのに対し、[映画]人間あそびは人間あそびという曲がそのまま映画になっています。

ということで、[映画]人間あそびが生まれた裏話、というわけでもないですが、僕の立場から見た[映画]人間あそびと、そのチームを紹介しようかと。
※裏話が聴きたければもっとふさわしい人間がいる。彼らがいつかここで裏話を披露するかは不明ですが、書いても面白そう。

映画を創りたい

このプロジェクトについて書くなら、僕とアキミチヒラクの関係もある程度書かないとよくわからないことになります。
まず、アキミチヒラクはtheULTRALEAのボーカルで、ミュージックビデオクリエイターである、以上。

なのですが、僕は彼の処女作「少年ナイフ」にちゃっかり出演するわ、自分のバンド「Hecatoncheir sisters」でも「リゼ」と「宇宙の嘘」のMVを撮ってもらうわと、なかなか深い付き合いがあります。

これの2分50秒くらいにちょっと映ってる帽子かぶった奴、僕です。たまに見返さないと自分でもどういうシーンで出てたのか忘れるくらいのちょい役。
主演は井上さん、Hecatoncheir sistersの前にやっていたバンド「ビデオデッキ」のボーカル。アキミチヒラクとの馴れ初めを書くのは面倒だし、もう8年くらい前で正直そんなに覚えてないし、割愛。互いに今活動しているバンドとは違うバンドで出会って、今に至るという感じ。

で、「少年ナイフ」を見ればわかる様に、当時はこんな風に白飛び、黒つぶれだらけで、僕みたいな素人が見ても素人が撮ったとわかるカメラワークの作品を撮ってた彼ですが、今やなかなかの作品を創るMVクリエイターです。
ちなみに「少年ナイフ」のMVでいいと思えるポイントは2つだけ。一つは主演の井上さんが謎にいい雰囲気出してる。もう一つはアキミチヒラクが痩せている。以上。

で、彼の最新作が我らがHecatoncheir sistersの「宇宙の嘘」
自分のバンドについてとやかくいうのは好きじゃないんですが、まあ良い出来だと思います。よくわからないMVですが、よくわからない楽曲をよくわからない感じに表現してくれました。

ちなみに「リゼ」もアキミチヒラクの監督作品。これの撮影は楽しかったな。実はもう一本アキミチヒラク監督のHecatoncheir sistersの映像作品が上がる予定ですが、それは公開してからのお楽しみ。僕もどんな作品になるのかいまいちイメージできていない。

話が長くなりましたが、とりあえず、そういうつながりのある人から「映画を創りたい」と相談されたのが始まり。2年くらい前ですかね。

まあ相談くらい無茶なこと言おうと勝手ですけど、まさかメンバーまで賛同しているとは思わなかった。僕だったら止めます。いやいや、音楽やれやと。

まあ僕にしてみれば、特にリスクもなく面白いことに参加できるんで、別に良いか程度で協力することに。ただまあ翌週から毎週2時間(といいつつ22時に始まって翌2時とか3時になることも少なくない)ものミーティングに参加することになるとは思わなかった。

無茶ができるメンバー

無茶ができるメンバー

プロジェクトメンバー左から : yusuke / 秋路ヒラク / あつし / SENA / yuzon / mocchin

正直、成功確率は低いと思ってました。MVクリエイターとしての実績がある程度あるといっても、3分半のMVと2時間の映画では機材、ノウハウが全く違うことは素人でもわかる。しかも必要な予算は数千万円とか言い出す。
何度も話し合って必要な予算は280万円くらいに落ち着きましたが、それにしたって大金。

個人的に、でかいことができるかどうかは無茶ができるかどうかによると思ってます。そういう意味でTEAMtheULTRALEAは無茶ができる人間が揃っていた。
例えばYusukeさん。theULTRALEAのベーシスト。効率とか効果とかを度外視すれば、ある種最強の人間かもしれない。というのも、真面目。やると言ったことをほんとにちゃんとやる。成果がどうとか関係なく、言った以上はやる。そういう人。
ブログを書くと言い出してほんとにちゃんと書いてた。ユーチューバーになるとか訳のわからないこと言い出して、ちゃんと動画作って投稿してた(多分始めた時は動画編集どころか基本的なPC操作も怪しかったんじゃないかな)。東京に行ってビラ撒くとか言い出して、ほんとにちゃんと撒いてきた。
あっちゃん(theULTRALEAのドラマー)も、自宅にあるものを売って映画制作の予算にするとか言って、本当に毎日出品して売り続けてた。

クラウドファンディングリターンの「Ⅶ」サイン入れ

クラウドファンディングリターンの発送とかサイン入れとかね。僕は絶対やりたくないし、雑になるからできないことだけど、Yusukeさんとあっちゃんはこの辺ほんとしっかりやってくれる。我がHecatoncheir sistersもプレゼント企画とかするけど、こういう作業を積極的にやる人がいなくて困ってる。今度からこの2人にお願いしようかな。

SENAはレコーディングエンジニアだけど、映画の音響についてのノウハウはなかったはず。それでも、予告を観る限り(SENAが音を調整する前の状態と比べて)、映画に求められる音をちゃんと表現できているんだと思う。
アキミチヒラクも然り。ただ僕はこのプロジェクトにおいてプロモーション側(僕の他にYusukeさんとあっちゃん)なので、制作側(アキミチヒラクとSENA、マネージャーのmocchin)側の動きはそこまで深く知らないんですが、僕らより楽だったということはないでしょう。

週一のミーティングも、遅刻とかはあったにせよ、ちゃんと毎週やったしね。毎週やると言ったことを毎週やる。結局、チームの力ってこれにかかってきます。

まあ何が言いたいかというと、映画を創ろうだなんて無茶を言い出したTEAMtheULTRALEAは、それなりに無茶ができる人間が集まっていたということ。

できない確率の方が当然高いし、チーム内でも無理じゃないかっていう雰囲気が出たことも何度もあったけど、なんだかんだこうして上映までこぎつけた。
クラウドファンディングの企画の時も、全員資金調達とか経験も知識もないはずなのに、結果かなりいい企画になったと思うし、何より目標金額以上で達成することができた。

その要因って、もちろんクラウドファンディングに応援してくれた人がたくさんいた、この企画に魅力を感じてくれる人がたくさんいたことが一番なんですけど、その次に無茶ができる人間が集まっていたことがあると思います。

Apple ジャケット案

例えばクラウドファンディングのリターンの一つ、theULTRALEAの全楽曲をまとめた「Apple」というCDジャケット。アキミチヒラクから大量の案が上がってくるのに、どれでもいいよとか、ほぼ同じじゃんとか言わず(僕は若干思ってた)、ちゃんとみんな意見を述べ、夜中まで話し合う。
一般に販売するCDのジャケットなら売り上げに関わるから真剣になるのは当然。でもこれはリターンとしてプレゼントするものだから、デザインの良し悪しは売り上げに一切関与しない。神は細部に宿るというけど、こういうところに全員が真剣に向き合うのはいいチームなんだと思う。

無計画な無茶振り

あんまり自分が所属しているチームをよくいうのも気持ち悪いので、少し小言を。
無茶ができる人間が揃ってると言いましたが、僕は無茶をしないタイプ。堅実に効果があるか、意味があるか考えた上で行動したい。ただまあ僕みたいな人間は一人じゃどうしようもない。堅実は言い換えればチャレンジしないということだし、動きが遅いということでもある。
そんなわけで、僕は無茶ができる人間を求めていて、そういう意味でもTEAMtheULTRALEAは良いチームだったと思う。

ただ苦言を呈したくなる無茶振りがあったことも確か。例えば、スカイジョーカーというバーで行われた「マネーの虎」という企画。これはスカイジョーカーで、何かにチャレンジしようという人間と、それを支援しようとする人間を引きあわせるもの。要するにプレゼンして気に入られたら、スカイジョーカー常連の社長さんとかから支援をもらえるというもの。
企画自体は面白いし、ぜひ参加したいと思ったのは確か。

ただ話が急すぎる。プレゼンの1週間か2週間前くらいにチラッとその話が出て、なぜか直前になると僕がやることになってた。
まあ大変ですよ。自分の200倍くらいの経験値がある人たちに向かってプレゼンするんですから。プレゼン資料は大阪から会場のスカイジョーカー(滋賀の彦根にある)に行く間の電車の中で作りました。iPadで、慣れないGoogleスライド作って。

その様子を動画にしてくれているんですが、クラウドファンディング応援者にしか見せれないので、ここに載せれないのが残念。
あの時のアキミチヒラクの役に立たなさは凄かった。クリエイターなら自分の作品をちゃんと言葉で表現しろやといいたい。

まあ厳しい声もあり、自分たちの未熟さを見せつけられた一方、しっかり支援も得られたのでよかった。

あと、無茶はするくせに徹底して金は出さない笑。
僕は財布が緩い人間で、僕が所属するHecatoncheir sistersもかなり緩い方だと思う。投資に見合うリターンがあるかはあまり考えない。というのも、僕個人の考えとして、投資に対するリターンなんて素人が予測できるわけもないし、ある程度の金は時間と労力を大きく軽減してくれるから。
例えば、レコーディングんする時に何枚売ったらプラスになるかなんて細かく計算しない。録りたい曲を録るし、レコーディングやミックスにどれくらい費用をかけるかも、自分たちが望むクオリティに対して決める。
ツアーも同様。ある程度現実的な予算なんかは事前に考えるとはいえ、とりあえずやると決めたらやる。予定よりお金がかかりすぎたら仕方がない。次のツアーにはその経験を活かせば良い。

ところがTEAMtheULTRALEAの人間は金を出したがらない(そもそも金がない人間が多いことも要因だが…)。
ここについて具体的な話をするのは結構リスキーなので控えますが、お金については意見がぶつかることが多かった。
僕に言わせりゃ、映画を創るのに280万円必要なら、まず自分たちが消費者金融でいくらまで借金できるのかを確認するのが第一だろうし、もしスマイユウキ(うちのボーカル)が同じことを言い出したらそうする。
6人のチームだから一人50万円づつ出せばいける。クラウドファンディングの労力とか考えたら、全員で借金した方が手っ取り早いんじゃないかと思う。もちろん、クラウドファンディングでみんなから応援され、求められて創るのはめちゃくちゃ素晴らしいことだけどね。

あとこれは声を大にして言いたい。「人間であそぼ」とかいうわけのわからない企画。毎日何でも良いから”人間であそんでみた”的なことをツイッターに投稿するという馬鹿げた企画なんですが、僕の記憶が確かならミーティングでこの案が出て、持ち越しになったはず。にもかかわらず、次のミーティングではなぜかやることになっていた。というかすでに始めていた。
無茶ができることがこのチームの魅力だと言いましたが、これは完全に巻き込まれた。僕だけでも回避する方法を考えていたのに、すでに始まっていて間に合わなかった。僕がこの企画に対してどれほど苦労してきたかは、人間であそぼを遡れば良くわかると思う。

あとは映画を楽しむのみ

僕のメインの仕事はプロモーション。なので予算を集めるための企画(クラウドファンディングをどう活用するか、リターンをどうするかなど)と、クラウドファンディングの実施とプロモーション(クラウドファンディングのプロジェクトページ作ったり、アップデート情報投げたりとか)、そしてより大きな仕事として、映画完成後のプロモーション(いろんなところで上映したり、集客したりとか)があります。
ただ3つ目については、コロナウイルスの影響で上映会が延期になったし、いずれにせよプロモーションを動かしていくのは2020年6月14日の上映会を終わってから。
なので、こう言っちゃなんですが、クラウドファンディング達成してからはわりとゆったりしてます(決してチームとして動いていないわけではなく、僕は他人にタスクを押し付ける才能があって、僕にしかできないタイプのタスクがそんなにないだけなので、他メンバーは結構忙しそうです)。

ということで、僕の今の感情としては「はやく観たいなー」という感じ。

僕は[映画]人間あそびのプロジェクトには深く関わっておきながら、作品とは一歩距離をとってきました(撮影にも参加してないし、脚本も全部は読んでいない)。
そういう意味ではチームの内部にいながら客観的に作品を観れる立場だと思うので、酷評してやろうと思っています。

TEAMtheULTRALEAは[映画]人間あそびのためのチームなのでともかく、多分アキミチヒラクは今後も映画を創ると思います(最近もLINEで次の映画の案が共有された。面倒なので無視してる)。
まあ一人くらい、良い感じの距離感で酷評する人間がいた方が良いと思って、多分その役目は僕だろうなと。

[配信]人間あそびであいましょう

長くなってきたのでそろそろお終い。結局、誰に向けて書いているのかよくわからないままだったけど、[映画]人間あそびを知らなかった人で、興味を持ってここまで読んでくれた人が一人でもいれば僥倖。書いた甲斐がありました。

ということで、最後に宣伝。

2020年6月14日、[映画]人間あそびをYouTubeで限定上映しますが、その前にTEAMtheULTRALEAと出演者でYouTubeライブを行います。今日は僕個人的な感想を書きましたが、YouTubeライブでは出演者、製作者から作品の裏側とか、思いとか、見所とか、そういうものが出てくると思います。

まあせっかくここまで読んでくれたんだから、この日に1、2時間くらい付き合っても損はないと思います。面白くなかったら閉じたら良いし、何より無料。
theULTRALEAのYouTubeチャンネルでやるので、よかったらチャンネル登録して、時間が合えば観にきてください。

【theULTRALEA】YouTubeチャンネル

で、もし映画も観てみたいなとか思ったら、Web視聴券を購入してください。

[映画]人間あそび Web視聴券購入

どんな作品なのか僕はよく知らないし、有名な賞にノミネートされているわけでもない(僕自身ノミネート作品は良く観ますが、あれはあれで面白い作品を自分で探したり評価したりする能力を低減させていると思う)ですが、たぶん良い作品だと思います。
少なくとも、どこかに一石を投じられる作品です。まあ見当違いの方向に石を投げちゃったり、まったく波風立たないかもしれないし、跳ね返って怪我をするかもしれないですが、もしかしたら歴史的瞬間に立ち会えるかもしれない。
ちょうどいい距離感で関わっている当事者兼傍観者としては、そんな感じ。