こんにちは。HORNnet編集部です。
世界中に多大なる影響を及ぼしている新型コロナウイルス。日本でも感染拡大を防止すべく、政府が全国の小学校・中学校・高等学校などに対し、臨時休校を求めました。また、多数の人が集まるイベントは大規模な感染リスクが伴うため、中止・延期もしくは規模縮小などの対応を行うよう要請されています。
音楽関連でも決まっていたライブスケジュールが軒並み中止・延期となっています。また、大阪のとあるライブハウスで感染者が多数確認との報道により、国民にとってライブハウス=悪というイメージが付きつつあります。ライブハウスもアーティストも決して悪くないのに。報道の力は恐ろしいです。
そんな中、ライブを中止・延期にせず予定通り開催しているアーティストもいます。決して新型コロナウイルスを甘く見ているわけではなく、音楽がすきでライブハウスがすきで、こんな時だからこそ音楽を届けたい・楽しんでほしいという思いから実施しています。
開催については賛否両論あるかと思いますが、個人的には会場内での予防対策も万全で元気な人だけ集まるのであれば、実施してもいいと思いますし行っていいと思います。ただ、新型コロナウイルスは今となってはいつどこで感染するか分かりません。職場や学校・大切な人が感染しないよう実施しない・行かないという選択も重要です。万が一ライブに行って新型コロナウイルスに感染すると、ライブハウスやアーティストを悪と報道しますし。難しいですね、こればかりは。
今日はそんな世間を騒がしている新型コロナウイルスに負けず、現在も全国各地旅して音楽を届けている彼を紹介いたします。
音楽を届け続ける「彼」
邦楽ロックをよく聴いている人ならば知っているかもしれません。彼が手掛けた音楽を紹介します。
「手をたたけ」当時、KDDI au LISMO!のCMソングでテレビやラジオでよく流れていたため、この曲知ってるって方も多いのではないでしょうか。MVでは吊られてます。めちゃくちゃ楽しそうです。曲も爽快感があり、一度聴いたらついつい口ずさんでしまいます。…そんなことより彼って誰なんだって?そうでした。紹介が遅れてしまいました。このサムネイルに映る男こそ、彼「光村龍哉(みつむら たつや)」です。NICO Touches the WallsのVo.Gt.でした。なぜ過去形なのかって?以下ツイートを見てください。
— NICOTouchestheWalls (@N_T_t_W) November 15, 2019
2004年4月に結成し、2007年11月にメジャーデビュー。彼らは数々の活動を経て2019年11月15日、突然”終了”を発表しました。本当にあまりにも突然すぎて言葉を失いました。
同年8月31日『SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2019』の出演を最後にライブ活動が途絶えており、毎年11月25日は「イイニコの日」としてライブを行っていたのに関わらず一向になんの告知もないため、各方面でざわついてはいました。が、まさかこんな形になるとは。日常で当たり前にあったものが急にふわっと消えるなんて、今でもまだ信じられません。
「18?」2019年6月5日に発売したアルバム『QUIZMASTER』に収録されている曲です。このアルバムを最後に彼らの楽曲は幕を閉じました。今考えるとこの曲はバンドの今後を予告していた曲なのかもしれません。
曲やMVから見えるもがき苦しみ。でも諦められない夢を見る。きっとタイトルである18歳頃からずーっと思い続けていることなんでしょうね。”未だわかっちゃいない事だらけ”だからこそ、今も昔も夢を見る。でも未来はずっと謎の彼方。切ない歌ですが、年月を重ねて音楽と向き合った彼らだからこそ鳴らせれた音楽なんだと思います。
「手をたたけ」「18?」、どうでしたか?どちらもめちゃくちゃよくないですか、彼の歌声。勿論、お三方の演奏も素晴らしいです。正直、技術も高いと思います。でも声よ、声が格段に良すぎる。
何度か彼らのライブへ行ったことがあるんですが、Vo.って喉の調子が悪い時ってライブにも影響出たりするじゃないですか。ところがわたしが観たライブはいっつもそんな感じはなく、いつ観ても素晴らしい歌声でした。…まあ歌詞飛ばしたりということはありましたが。
数々のアニメやドラマの主題歌やCMソングを歌い、全国的に知名度のある彼らが急に”終了”を発表したのは、NICO Touches the Wallsとしての音楽はこれ以上鳴らせないと判断したからだと思います。ちなみにバンド名の由来はこちら。
バンド名「NICO Touches the Walls」は光村がよろめいて壁に触れた時に、壁に触れるという行為は壁の向こうにある世界、日常から新しい世界を創造するというイメージにつながり、バンド名に由来。
引用:NICO Touches the Walls 公式サイト
もう日常から新しい世界を作ることができなくなってしまったんですね。この記事を書き進めるにつれ、改めて痛感します。
「彼」の今
2019年、バンド活動を”終了”しました。が、2020年、彼は一人で動き出します。
1月12日、彼はFacebookにある投稿をしました。

NICO Touches the WallsのVo.Gt.光村龍哉の投稿 参照:https://ja-jp.facebook.com/tatsuya.mitsumura
※投稿に写っている「Zenly」:大切な友達と位置情報をシェアできるコミュニケーションアプリ
どうやらこのアプリを使えば相手が位置情報を許可にした場合のみ、どこにいるか分かるようです。
”準備運動”とは一体なんなのか。その通知に気づいた人が向かってみると…
新浦安駅前にいました、光村龍哉氏
スピッツ弾いてた pic.twitter.com/wPg0Lj5vnU— 卓 也 マ マ (@ta98mama) January 12, 2020
路上ライブをしている彼と出会えます。
メジャーデビューしていた彼が路上ライブなんて、信じられぬ。すごい。近い。
さらにすごいのはあんなに手の届かない存在だったのに、リクエストに応じて自身の曲だけでなくカバーも披露していたり、路上ライブ終了後は写真撮影やサインまでしてくれているところ。至れり尽くせり。
この日を境に、東は東京都・西は島根県まで様々な場所に彼は出没します。(3/5現在)
▼2/2 大阪府・梅田
夜の果て
▼2/2 京都府・三条大橋
image training
▼2/4 愛知県・名古屋
demon(is there?)
▼2/19 神奈川県・横浜
夢一号
この動画は4曲ともNICO Touches the Wallsの時の曲です。興味を持った方はぜひバンドver.も聴いてみてください。
どんな場所で歌おうが関係なく、マイクもアンプも使わず、生音だけをわたしたちに届けてくれます。頑張って声を出している感じもなく、どんな時も人を魅了させる歌声。耳だけでなく心にもすっと入ってきます。こんな歌声を生で聴いたら毎日報道されている情報に対する不安や怯えなど、様々な感情を抱いている心が少し晴れそうです。
彼の”準備運動”はきっとまだまだ続きます。そして訪れた場所で音楽の素晴らしさや感動を与えてくれます。新型コロナウイルスなんかに負けず音楽を届けてくれる彼はまさにロックスター、いやヒーローです。
最後に
彼はある日の路上ライブでこう語っています。
今、武者修行だと思って、こうしていろんな街に行って歌っていますが、僕のやりたいことっていうのは非常にシンプルでして、とにかくいい歌を作って、いい歌を歌って、人に楽しんでもらうっていうことが一番ただただやりたいことでして。多分原点ってこういうことだろうなって思いながらずっとやっています。
引用:Twitter(https://twitter.com/momonohito_25/status/1234879115171287040?s=20)
人に楽しんでもらう、これってきっと音楽活動をされている皆さん思っていることですよね。それをただただやりたい、シンプルではありますが非常に難しいことを彼は今までも行っており、これからもやり続けてくれるはずです。
最後に、どうかお願いします。わたしがあなたの路上ライブを肉眼で観れる日が来るまで”準備運動”を続けていてください。
追記(2020年8月8日)
彼は2020年3月7日、Instagramのライブ配信で河原光とTHE LODGERSというバンドで活動を開始することを発表しました。

THE LODGERS 参照:https://www.facebook.com/thelodgers
※河原光:グラフィックデザイナー
木村カエラやFIVE NEW OLDなど有名アーティストのCDジャケットを手掛けたり、グッズ・広告・Web・モバイルコンテンツのデザインなどグラフィックデザイン全般で活動しながら、MV・CDなどの映像ディレクションやアパレルブランド「WRIGHT」でデザインなども行っている。

木村カエラ「MIETA」

FIVE NEW OLD「Emulsification」
バンド活動としては今は人気のネットショップ作成サイトBASEでファッションアイテムを販売したり、不定期でラジオ配信を行っているそう。
正直知りませんでした。なぜこの件は世間で騒がれていないのか調べたところ、どうやら活動開始を発表したInstagramのライブ配信中にNICO Touches the Wallsの活動はサイドビジネスだったというニュアンスの発言があった模様。
彼が新たなパートナーとともにどんな活動を行おうがとやかく言える立場ではありませんが、”さあ。「壁」はなくなった!一度きりの人生、どこまでも行くよ!”のどこまでもがこんな道になるとは。もう何も言えない。