米津玄師もハチから数えると10周年なんで歴史を辿ってみた

米津玄師もハチから数えると10周年なんで歴史を辿ってみたリスナー向け

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どうも、ヤスイです。
2020年ですね。2020年といえば東京オリンピックですね。チケット当選率が高くて200万円分購入したけど当たらなかったとか話題になってます。
まあ、僕は全く興味ありません。オリンピック、本当に東京でやるんですかね。全部嘘だったって言っても驚かないくらい縁がないです。

さて、今日はみんな大好き米津玄師。僕のバンド(Hecatoncheir sisters)のメンバー内でも定期的にブームがくる存在です。
ちなみに、米津玄師はHecatoncheir sistersのボーカルのスマイユウキ、ベースのドウチタツヤと同い年。

彼もハチという名前で初音ミクに歌わしてた時代から数えると10周年なんですよね。ということで、米津玄師さんの作品をざっと振り返ってみようではないかと。

何を隠そう、青春パンクとロックンロールで育ったヤスイ。「ギターは1本の太い弦」というTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTのアベフトシに影響を受けて、いまだにテクニカルなフレーズが引けないヤスイですが、実はハチの「マトリョシカ」でライトハンドタッピングのフレーズを耳コピしてた時代もあるんです。

そんなわけで、ハチの時代から約10年。米津玄師の歴史を見てみましょう。

処女作:ハチ「お姫様は電子音で眠る」

  

はい、こちら今から10年半前に公開された、ハチ(米津玄師の旧名?)の処女作「お姫様は電子音で眠る」

いや、イントロの音よ。すでに米津玄師の片鱗がでとるやないか。どんなコードかわからないけど、謎の音階フレーズ。そしてオーケストラのバスドラの裏面破いたみたいな謎な音。
Aメロが始まればキック(バスドラ)の音は聞こえるのにスネアもハイハットも聞こえてこず謎のカチカチ音。
そしてまたサビで裏面破いたバスドラ。

ドラムというか、リズム隊がこれだけよくわからないことをしているのに、メインのメロディーとメインのメロディーのテンションは変わらないという。そして2分42秒でやってくる謎の間。

「お前さっきまでいなかったよね?」と思ってちゃんと聴いたら2番の途中からしっかりいたストリングス(バイオリンとかチェロとか)。

すごいハッピー系の曲かと思ったらなかなかな寂しい歌詞。音、メロディ、歌詞、全てがアンバランス。

つまりこの時からやばかったんですね。人間、いろいろ繰り返すうちに学んで、少しずついいもの作っていくんだと思ってました。
米津玄師はこの時から圧倒的だったんですね。

個人的にはハチ時代で一番好き:ハチ「ワンダーランドと羊の歌」

  

2010年頃の曲、「ワンダーランドと羊の歌」です。これはすごいいい曲。何度でも聴ける。ハチ時代で一番好きな曲かもしれない。カラオケで歌いたい。
これも音楽的なことを言うと、ベタなやり方なんだけど音の足し算引き算がうまい。先ほどの「お姫様は電子音で眠る」と比べるとずいぶんシンプルな作りの曲です。ドラムも特に特徴的なことはしていない印象。

ただ歌詞とメロディ、展開がもうプロ。プロの編曲家の仕事。盛り上げ方とか、完全にベタと言うかテンプレート的なんだけど、品質が良すぎるんでしょうね。最後の最後の音もそうですけど、リスナーを99%まで満足させて、次の曲を聞かせるような仕掛けがいっぱい。
アニメMVに出てくる超巨大な猫はなんなんでしょうね。最後消えるし。

で、この曲のポイントは歌詞です。

なんでもない様な顔して犬
ご機嫌損ねてる「バウワウ」と
今日は レイニイデイ
屋根の上で少女が泣き濡れては
林檎飴を舐めて空を見た
今日は レイニイデイ

カンテラ持って歌うたって
明日の準備を拵えて
賛美の言葉唱えようぜ
ほらハイネリィランラ
魚の面で歌うたって
有刺鉄線を飛び越えて
遊ぼうぜ、笑おうぜ!

くだらない愛を歌う この街の中
明りを灯せば何にもない
1,2,3,4,5,ほら合図で君に会いに行こう
新しい灯を迎えに行こう

アンテナ立ったらもういいかい?
商店街から顔出して
泣いてる子には唱えようぜ
ほらハイネリィランラ
「さよなら」ばっかり詰め込んで
二律背反を背負い込んで
泣かないで 揺れないで

とりあえず一番をフルで紹介。この歌詞の日常と非日常の組み合わせ。何がすごいって、MVがすごいのかもしれません。一度聴いた後歌詞を読むと、MVの映像が頭に浮かぶんですよね。

2番のメロの「煙草の煙濡れちゃってまた噎せ返る路地裏去って歩いていったレイニイデイ」とか、すごいですよね。すぐ情景が浮かぶ。
「空の色が変わる その時に胸に残るのは 君の事」とかもう、胸に突き刺ささるでしょう。

まあそんな感じで、現在の米津玄師からは想像できないくらいハッピーでベタな曲ですが、最高の一曲です。

高校生はこの曲のギター弾きたくなるよね:ハチ「マトリョシカ」

  

さて、ハチ時代、おそらく一番有名な一曲「マトリョシカ」です。再生回数2800万回(記事執筆時点)と、初期のハチの中では圧倒的人気。この曲でハチに火がついたといってもいいかもしれません。この後も「パンダヒーロー」とか「ドーナッツホール」とか、「砂の惑星」とか同じくらい有名な曲もあるんですけど、やっぱりハチから1曲選ぶならこの曲。

最初に言った通り、ヤスイはこの曲のギターを耳コピしてました。ライトハンドタッピング(右手で弦押さえるやつ)を使わなくてもフレーズ的には弾けるんですけど、なんとなくやりたくなるんですよね。簡単だし。

基本ギター2本なんですけど、特に難しいことはしてないんですよ。じゃあこの曲の訳わからない感じはなんだってドラムとベースです。ドラムとか腕2本、足2本の一般的人類は多分完コピできないんじゃないかと思います。いや、別にできるんかな、どうなんだろう。何やってんのかよくわからないところちょくちょくあるんだけど。

分解して聴いてみるとギター、ベース、ドラムの作りが秀逸なんですよね。「ドラムがこれやってる時にギターこれする?」的な。

本名米津玄師で活動開始:米津玄師「ゴーゴー幽霊船」

  

2012年ごろから本名「米津玄師」で活動を始めて3ヶ月連続でMVを公開したんですがその1作目「ゴーゴー幽霊船」です。

イントロの「ポーポーポー」はなんの音なんでしょうね。後半のAメロで鳴ってるチョーキング。なんやこのチョーキング。ギターの音か?なんの音かわからないけどBメロの「ファファファファファ」とサビの「フォフォフォフォ」。サビの「フォフォフォフォ」に関してはキーあってんの?
そんで曲の中心には乾いた音色のカッティング。

少なくとも、まともな神経してたらイントロ部分の乾いた音のギターにこんな訳わからない空間系のエフェクターは重ねません。頼まれてもやりません。

いやあ、米津玄師の曲を解説するってなって意気揚々と取り組んだんだけど、無理だね。なんの音なってるのかもわかんないもん。

圧倒的3部作の圧倒的名曲:米津玄師「vivi」

  

続いてはまた本名公開時の3ヶ月連続MVから一曲、「vivi」です。個人的にはこの曲、米津玄師という枠組みじゃなく、全楽曲の中でみても上位。ロックンロールが好きとか言いながら、結局こういう純なラブソングが好きなんです。

ちなみにこの3ヶ月連続MV、「ゴーゴー幽霊船」と「vivi」は米津玄師が絵を描いてるそうです。で、「恋と病熱」は違う。せっかくの3ヶ月連続なんだから全部描いたらいいのに。

この曲の聴きどころも伴奏。世のボーカリストは一回真剣に考えて欲しいんだけど、この伴奏で歌える人間どれだけいる?
こんだけコーラス系のエフェクター入れて音揺らしまくってたら音程とれんでしょう普通。まあ、彼がライブでもこのクオリティで歌っていたのかというと、決してそういうわけではなく、米津玄師初期のライブが意外と下手なのは周知の通り。
まあ、イントロ、間奏はもちろん、サビの裏でもなってる謎の音程。これで歌えって方が無理です。

どんなコード使ってるんだろうと思ってみてみたんですが、基本は普通にメジャーとマイナーセブンス。たまにメジャーセブンスとかオンコードとか使ってるみたいだけど、みたことないコードは「Gaug」くらい。
「Gaug」ってなんや。ギター10年やってるけど初めて見た。

歌詞もめちゃくちゃいいんですけど、サビのメロディがまたもう…
Bメロの最後からサビの頭へのつなぎが最高で、「愛してるよビビ」というサビ頭の歌詞。そして曲の最後は「さよならだけが僕らの愛だ」で終わる。
たまらんねえ。何回も聴けちゃうねえ。

ちなみにこの後、本名での活動に切り替えたのかと思いきやハチ名義で「ドーナッツホール」を投稿してます。しかもこれ、生のバンドでレコーディング。なんなんでしょうね。普通、本名で自分の声で出す方を生バンドで録って、ボカロ時代の名義の方を打ち込みにするでしょう。
まあ米津玄師を普通で語ろうというのがもう違うんでしょうね、たぶん。

聴いてるだけでIQ下がりそう:米津玄師「MAD HEAD LOVE」

  

個人的にはこの曲らへんから米津玄師の名前が一般に広まったと思ってるんですけど、世間的な意見では次に紹介する「アイネクライネ」からみたいですね。
まあ僕はこの曲、かなり好きです。中毒性という意味では「マトリョシカ」クラス。

サビの「ベイビーベイビビアイラービュー」とかすごくアホっぽい歌詞。でも頭に残るんですよね。これ聴いた後外歩いてると無意識で口ずさん出る時があります。恥ずかしい。

しかし相変わらず不安定な音程。この人の耳になんかへんなエフェクター内蔵されてるんじゃないかと思うくらいです。最終的にミックスされて完璧な状態になったらこれはこれですごいってなるんですけど、絶対制作段階ではボツにしてしまいます。
しかしこの頃もまだ米津玄師は顔出しに抵抗がある模様。目は見せない。ボカロプロデューサーの性なんですかね。

いやあ、IQが低い曲で、IQが低いMVだ。聴いてるだけで頭悪くなりそう。
あと米津、もうちょいマイクに近寄れ。せめて演者の男女くらいの距離に近寄れ。

フリー素材ですか?:米津玄師「ポッピンアパシー」

  

この曲も訳わからない音重ねてる。イントロとかなんなの。どっかのフリー素材の音声にへんなエフェクターかけたとかそんなんじゃないの?
てかイントロのキーなによ。好きなバンドのコピーするのが生きがいの高校生バンドマンが迷惑してんだよ。「米津好きなんだよね〜」って言って「え〜!なんか弾いて!」って言われた時どうすればいいのよ。高校生が持ってる機材だとフレーズなぞっても「それなんの曲?」ってなるよ。

このMVの注目ポイントが曲以外に一つ。「SEIKO 5900Ⅱ」が写ってる。何を隠そう、昭和57年に発売されたデスクトップコンピューター。科学技術研究とかに使われていた骨頂品コンピューターです。こういうところに米津玄師のセンスを感じますよね。僕だけかもしれませんけど。
よく見たら「MAD HEAD LOVE」でも使われてる。好きなのかな。趣味が合いそうだ。

そういやこのMVは米津玄師の顔がちゃんと出てる。なんか心境の変化でもあったんでしょうか。
というか米津玄師は一体なにを作ろうとしてるんだろう。なにも考えてなさそう。なんか最後よくわからないもの出来上がってるけど、あの薬品類絶対いらないよね。コーヒー飲むシーンが違うもの飲んでそうで怖い。

めっちゃアイロンかけるなこの人。

米津玄師の名前を世間に知らしめた一曲:米津玄師「アイネクライネ」

  

さて、お待たせしました。「アイネクライネ」です。
この記事読んでる人に対して、この曲の解説とかいらんでしょう。聴いたらわかる。いい曲。泣ける。泣く。
こんな記事書くよりこの曲7回聞きたい。

はい次行きまーす。

個人的には若干停滞期:米津玄師「メトロノーム」

  

これも米津玄師がMVの絵を描いてます。すごいセンスだな、女の子がいろんな姿に変わる。
ただこの辺の曲、個人的には少し停滞期です。アイネクライネの人気にビビったのか、これまでの米津玄師にあったチャレンジ精神、意味不明感、誰がなんと言おうと俺はこれで行くという姿勢、があんまり感じられない。

まあいい曲なんですよ。ただ「あー米津聞きたいなー。なに聞こうかな、バラード系のラブソングが聴きたいなー」ってなった時、この曲じゃなくてアイネクライネ聴いちゃうというだけ。
歌詞もそこまで尖ってないというか、置きに行ってる気がしないでもない。

まあ誰にでもそういう時があるから元気だそう。

お前踊れたんか。:米津玄師「LOSER」

  

さあ「LOSER」です。この曲で新しい宇宙を見せてくれたよね。曲調もそうだし、何より音がこれまでと全く違う。なんでしょうキングヌーとかに影響受けたんでしょう。MV的にはキングヌーの「Vinyl」に近い。曲調も近い気がする。ひょっとしてキングヌーに影響された?
と思ったら「LOSER」先。安心。

そして米津玄師が踊るという衝撃。そんな動くタイプやったんか。
まあ、らしいと言うのか機敏さは一切なくクネクネしてる。と思ったら2番とラスサビの一部でなんか小粋にステップ踏んでる。

いやあ、シンプルにかっこいい。シンプルにかっこいいのにしっかり米津。こういう曲ですよ、ファンが求めてたのは。

この「LOSER」、発表から2年後にHondaのCMソングに採用されましたね。ちなみにこのCM、僕はかなりセンスないと思ってます。曲の良さ全然活かしてないやん。

王道路線に移行してしまった:米津玄師「ピースサイン」

  

大人気アニメ「僕のヒーローアカデミア」のオープニング曲「ピースサイン」ですね。
まあ、人気曲なんで紹介しますけど、個人的にこの曲は米津玄師の曲というよりもテレビアニメ用に書き下ろされた曲といった感じです。

だってイントロとか、サビのコーラスとか、そんなしっかりした音程を重ねるタイプじゃないでしょう。もっと揺れて揺れて、人間の奥深くにある不安定な部分を表面に押し上げる曲を書くじゃない。
多分僕のヒーローアカデミアのプロデューサーから「こんな不安定な音程、地上波で流せるか!」とか怒られたんでしょうね。表現者はいつも権力との戦いです。

僕はヒーローアカデミアを最初の頃しか読んでないんですけど、この曲の歌詞を見てると見てないはずのアニメ映像が浮かびます。そういうところなんだと思います。表現者としての米津玄師がすごいところは。

米津が完成された:米津玄師「Lemon」

  


米津玄師史上、最大のヒットソング。6億4900万再生と異様な数字を叩き出した「Lemon」です。
うちのボーカル、スマイはよく路上で歌ってるんですが、この曲のリクエストをもらいすぎて原曲を一度も聴いたことがないくせにある程度歌えるようになったという。

ちなみに「アンナチュラル」の主題歌で、僕の彼女は聴きすぎてもう飽きたとかいってました。

この曲の注目ポイントは珍しく正面を向いてる米津玄師ではなく、そのバックの訳のわからないダンスでもなく、正方形という点です。
曲の解説なんて他に何千人としてるでしょうから、僕は正方形という寸法について語りますよ。

一般的なMVの縦横比は16:9でYouTubeのベーシックな寸法。僕のバンドのMV「リゼ」も16:9です。

  

で、ちょっと古い寸法だと4:3があって、これはテレビの寸法ですね。Hecatoncheir sistersのリリックビデオはこの寸法で作っています。

最近、この古い4:3が見直されているんですね。理由はスマホ。PCだと16:9はすごい没入感があるんですけど、スマホを縦に持ってるとすごく小さい。スマホでYouTubeを見た時、横幅固定になるんで4:3の方が画面占有率が高いんですね。
まあスマホを横にすればやっぱり16:9は優れた寸法なんですが、みんな今ってスマホ縦のままYouTube見るじゃないですか。いちいち横にするとか、20代後半以上ってことがバレるからやめた方がいいですよ。
あとSNSで見る時。これもいちいち横にしない。ということで4:3のMVが注目されているんです。
4:3のMVばかり作って話題になった韓流アイドルもいました。

そしてこれは正方形、1:1です。さすが。これならスマホの画面を半分以上占有できる!
と思いきや、この曲、正方形で作ってるのに、わざわざ両端に余白入れて正方形寸法にしてない。
なんだそりゃ。気でも狂ったか?

米津玄師の「Lemon」MVは正方形なのに横長寸法

米津玄師の「Lemon」MVは正方形なのに横長寸法。もう訳がわからない。

こちら、左がLiSAの「Brave Freak Out」、右が米津玄師の「Lemon」それぞれのMVをスマホで再生した時のスクショ。
ご覧の通り、LiSAのMVは正方形なので画面の半分以上を占有してる。一方、米津玄師、動画は正方形なのに、占有率は16:9のまま。

正気じゃないですよね。世の中のミュージシャンは少しでもリスナーの気を引こうと四苦八苦してます。そのために、多少不格好でも画面占有率が高い寸法で作るんですよ。

それをこう、嘲笑うというのか、大胆にも。「いや、スマホ傾けさせればいいじゃん。スマホも傾けてもらえないのはお前らの映像に魅力がないからだよ。ま、この曲は正方形がビタッときたから正方形にしたけどさ。」とでもいっているかのような挑発。
LiSAさん、ごめんなさい。あなたは悪くない。米津が悪い。

過去から未来につながる一曲:米津玄師「パプリカ」

米津玄師がプロデュース「Foorin」が歌うNHKの東京オリンピック応援ソング「パプリカ」。紅白にも出ましたね。東京オリンピックとは距離を置いている僕でも知ってるんですから、本来の目的を超えて広がっていることは確かです。
まあ、令和元年を代表する曲といってもいと思います。米津バージョンのMVは6000万再生程度ですが、Foorinの方は1億5000万再生。さすがですね米津先生。

米津玄師バージョン、冷静に聴くと知ってる楽器が全然鳴ってない。米津先生、この時代にバンドやる意味ってなんですか?
ていうか、米津玄師、歌い方変わりましたね。曲のせいかもしれませんけど、演歌的なテクニックが入ってる。

まあ、相変わらず米津玄師バージョンは不思議な音が鳴って頭がおかしくなりそうになるんで、普通に曲を聴きたい場合はFoorinの方聴いた方がいいですね。いやあ、楽しい曲。

「みんなのうた」で放送される、子どもが歌って踊れる応援ソングというオーダーがあって、でも、実際に作る時点で「子どもに応援ソングを歌わせるって、どういうことだろう」ってハタと気付いたんです。本来、子どもって応援される側の人間じゃないか、俺は何をやっているんだろうと。子どもが歌う応援ソングというのはイビツなことだと思うようになって、なおさら「がんばれ」とか、そういう言葉は死んでも歌わせられない。
NHKインタビューより

目の付け所が秀逸ですね。これからを生きる子どもに大人が頑張れとか言わせてどうするんだって、確かにその通りなんですけど、子どもに元気付けられている情けない大人ばかりの中、あなたは本当の大人です。

確かに、パプリカという曲を何度聴いても応援ソングという感じはしません。ただ子どもたちが好き勝手楽しんでる感じ。楽しそう。気持ちいい。その姿に勝手に応援される。

米津玄師の歴史を見ても何もわからなかった

さて、今日はこんな感じでハチから始まる米津玄師の歴史をざーっとなぞってみました。すごいですよね。一貫して米津、なのに変化してる。
ハチの時は御伽噺のようなストーリーに、いろんな音を試行錯誤してる感じがあって、それが米津玄師になって形になってきた感じ。「アイネクライネ」みたいにストーリーがいい曲もあれば、どちらかというとその瞬間瞬間を切り取ったような曲もある。ハチ時代に試した膨大な試行錯誤から、その音の特徴、気持ちいい時にはその音で気持ちいい部分が、悲しい時にはその音で一番悲しい部分が出ているイメージ。
不快と快感の紙一重をうまく突くスタイルはハチ時代から変わらない。最近の曲はちょっと落ち着いた感じあるけれど、それは米津玄師が落ち着いたというよりも、プロジェクトが大きくなったからという印象。
もちろん、インタビューで語っているように「普遍的なものを作ることを軸に、日本人だからこそ、J-POPとして音楽を作りたい」という思いがあって変化してきた部分もあると思います。
ボカロ好きの不安定な中高生をさらに不安定にさせてきた時代のままじゃ、子どもから90歳のおじいちゃんまでが参加する東京オリンピックの応援ソングは作れませんからね。

--米津さんの曲にはいくつか果物が印象的なものがありますよね。「こころにくだもの」はまさにそうですし、レモンだと「あたしはゆうれい」の歌詞だったり。

米津玄師:果物って色鮮やかで、見た目が美しいじゃないですか。それが個人的には人間に似てると思うんですよ。皮があって、肉があって、種があるっていう、その構造自体が人間の体と共通してるっていうか。音楽って人と人とのコミュニケーションだし、自分はだいたい人間のことを歌っている。その人間っていうものを、別のものに置き換えることによって、それでしか表現することのできない美しさってあると思ってて。だから果物はものすごくちょうどいいアイテムなので、ある種のギミックとして曲に散りばめることが多いですね。
米津玄師「Lemon」インタビュー

ひとまず僕は近所のライフにいって数種類の果物を買ってきます。