当たり前の文化をぶち壊す|deronderonderonに学ぶ音楽活動

deronderonderonとはリスナー向け
画像:deronderonderon 公式HPより

こんにちは。HORNnet編集部です。
「ライブができず音楽が思うように届けられない」と嘆いているアーティストの皆さん、deronderonderonというバンドをご存知でしょうか。今日はderonderonderonについて紹介します。

deronderonderonは結成当時から当たり前と思われているバンド活動やバンド文化をぶっ壊し、変えてやろうとして活動しているバンドです。

例えばライブ衣装。インディーズバンドなんかは特に意識せず私服でライブ活動することが多いと思いますが、deronderonderonは「それはそれでラフですごくかっこいいけど違うよね」とライブ衣装を決め、全員同じものを着るようにしています。

…まあライブ衣装の話は置いといて、現在の音楽シーンはまさに”当たり前のこと”ができなくなっているため、彼らの思いや活動内容は参考になる部分が多いのではないかと思い、ほんの一部分ですが紹介させていただきます。

deronderonderonとは

2012年に横浜で結成された男女混合4人組バンド。2014年にはロッキンジャパンが主催する”RO69JACK 14”にて優勝アーティストに選出・ROCK IN JAPAN FES 2014へ出場。2016年よりactwiseへ移籍し、2017年には初のワンマンライブを開催。現在は画像左からVo.Gt.さわいかん、Gt.Cho.ばっしー、Syn.Cho木越アイ、Dr.もりもとのぞみの4人で東京都内をベースに活動を展開中。

ちなみに過去のプロフィールでは「小悪魔系 ダンス・ロックバンド」と称していたり、「思考停止状態である現代人の頭を赤信号から青信号にするべく、DANCE ROCKに大さじ2杯の毒をかけたサウンドにのせて、独自の感覚と思考を吐き出す。」という変わったプロフィールもありました。興味を惹きつけるキャッチコピーだったのですごくすきだったのですが、いつの日かなくなってしまったようです。

ちなみに主な代表曲はこちら。

KICK ME ASS

deronderonderonはギターやドラムだけでなく、シンセサイザー(いろいろな音が作成・編集できる鍵盤楽器)も用いているということもあり、リズムと言葉を上手く調和させている楽曲が多くあります。これは2016年に発売されている『DIE KILL I(読み方:だいきらい)』というアルバムが一番聴きやすくわかりやすいかと思うので、ぜひ気になった方はぜひ手に入れてみてください。ちなみにKICK ME ASSはそのアルバムのリード曲となります。

え、どこがバンド文化をぶっ壊してるの?ごく普通のバンドじゃない?と思ったあなた、バンドとしてはごく普通のプロフィールですが、注目してほしいのは彼らの活動方法なんです。順番に説明するので読み進めてみてください。

「映像」にこだわりを見せる自主企画時代

2014年に会場限定販売された自主企画FULL ALBUM『deronderonderon』は発売後、若手映像作家10人とコラボレーションし、毎月MVを1本公開しました。全12曲すべてMVを制作し、楽曲と映像がセットになって初めて完成するアルバムとなりました。

wall off (dir. みんなうそつき)

niburu (dir.umihayato)

akstnhmyrw (dir.堀J)

D.E.R.O.N. (dir.中原三貴)

IKIL (dir.高野徹)

not destroyer but breaker (dir.深田隆之)

yo a ke(dir.金巻勲)

DODODO(dir.みんなうそつき)

NO SHIKO(dir.林 響太朗)

anauzu(dir.内田圭)

1968(dir.高宮悠太郎)

color,dance,animal,love (dir. 西川達郎 《みんなうそつき》)

「全ての楽曲に映像を付ける」という当時、いや今もでしょうか、音楽業界がやっていることの垣根を外す活動を行いました。人気のあるアーティストのMVは有名な監督たちの手により手がけられているため、完成度が非常に高いですが、同世代でどれだけ背伸びしすぎずに世に放てるか?という部分にピントを当て、実践したようです。

その後、2015年に発売された全国流通版1st mini ALBUM『DIE SUKI』でも全6曲中4本、映像化しています。

bassssshoy (dir.内田圭、typography.美山有)

I HATE YOU (dir. 西川達郎)

451014 (dir.高宮悠太郎)

Vampire!Love! (dir.堀 晃)

しかも特設サイトまで作るという更なるこだわりが。

MV制作側は自分の作品を世に出すことができ、アーティスト側は決して有名とは言えない映像作家などを紹介しつつ、ライブ等で楽曲に興味を持ってくれたリスナーがすぐ検索し気軽に探せるようにという意味を込めた今風に言うとwinwinな試みを2014年の時点で形にしています。

ちなみにこの当時のインタビューでVo.Gt.さわいかんは以下のように語っています。

バンドって本当に唯一文化として進んでいない。ジャンルとかは増えていると思うんですけど、在り方が変わってない。

<中略>

社会的な見られ方として、バンドマンって好きなことだけをやってるやつらって思われてるじゃないですか。それって第一線で活躍している人たちじゃなくって、そのほかの大部分のバンドマンが作り上げてしまったイメージじゃないかなって思うんです。

<中略>

だったら僕はデロンっていうバンドで”バンドの在り方”を変えてみたいなって思ってます。

引用:https://diggity-jp.net/feature/18043/4/

「音づくり」が進化するactwise時代

見放題2015やBAYCAMPなど人気フェスに参加し、2016年夏にactwiseへの移籍を発表しました。その後、2016年に1st FULL ALBUN『DIE KILL I』を、2017年に1st EP 『deronist EP』をリリース。さらに、2018年に会場限定EP『deronism EP』をリリースします。

STEP TO THE END

deronism EP』に収録されているリード曲。移籍に伴いライブ活動がさらに増え、自主制作時代と同じようにたまたま見て興味を持った人にでもすぐ買ってもらえるよう、ライブ会場限定で販売。冒頭で紹介したKICK ME ASSのような所謂踊れる曲というだけではなく、さらにビートを意識した楽曲で、今もライブの定番曲として演奏されています。

ちなみにderonderonderonの曲は作詞作曲ともにVo.さわいかんが行なっており、歌詞は白黒はっきりと答えを提示しすぎないものに・曲は8割型まとめてあるものをメンバー全員で形にしています。形にするときは他メンバーにあえてニュアンスを伝えるだけにし、弾いてもらって固める場合もあるとのこと。これはメンバー間で聴いている音楽のジャンルがバラバラという強みを生かせるよう、行なっている手法なのだとか。

そして2019年には3ヶ月連続で新曲配信を行いました。

DisLove

Young

Flashback

「配信限定音源」という形は今や多くのアーティストが行っていますが、彼らは自主企画時代からこだわっている映像も制作。曲調が今まで紹介されていた曲とテイストが違う、と思われる方も多いかもしれません。でも聴いてみるとderonderonderonらしい音で自然と体が動くような曲で音を聴かせながらテーマ性のある映像で表現。音と映像、2種が重なり合って一つの作品という魅せ方がderonderonderoの最大の魅力です。

映像にも音にもこだわったderonderonderonが次に進む道は、現在制作中のアルバムで明らかになるはずです。

最後に

deronderonderonはまさにデジタル化を意識したバンド。ライブハウスで音楽を聴くのもいいけど家で映像を見ながら聴く音楽、これが主流になっていくっしょと言いたいような動きを2014年から行っています。

しかもこのバンド、デジタル化も意識しつつアナログな部分も意識しており、ライブハウスで自分たちを観に来てくれた人にセトリを渡しています。

デジタル化が進んでいるとはいえ、まだまだ需要がある生ライブ。ライブハウスに来た人をもたのしませる工夫を行なっているderonderonderonに今後も期待しかありません。

また、今は新型コロナウイルスにより、ライブ活動など思うように音楽活動ができない世の中かと思います。当たり前だった音楽文化を変えていかなければならない時代となりました。アーティストは当たり前の文化をderonderonderonと一緒にぶち壊して行く必要があります。そしてぶち壊すアーティストの動きを我々リスナーは拒むのではなく、引き続き応援する広い心を持たなければなりません。今はまだアーティスト側もリスナー側も受け入れるのがなかなか難しい状況ではあるかと思いますが、今後の音楽シーンがどうなっていくのか、たのしみな部分があるのも事実。わたしは今日もいろいろ考えながらderonderonderonの音楽を聴きたいと思います。では。